Book:平成司法制度改革の研究:理論なき改革はいかに挫折したのか
今年読んだ7冊目は、須網隆夫先生編集にかかる『平成司法改革の研究: 理論なき改革はいかに挫折したのか』
今年読んだ12冊目は、以前に頂いたときに紹介した日本裁判官ネットワークの裁判官だから書ける イマドキの裁判 (岩波ブックレット)
最近の裁判周りの話題について、淡々と裁判を担当する側の思いや考え方が解説されている。
Q&A方式で、テーマ的には攻めた感じのものが多いが、それに対する回答は、極めて常識的というか、良い意味でも悪い意味でも裁判官らしいものとなっている。
今年読んだ7冊目は、深澤武久法廷に臨む 最高裁判事として
お気の毒な弁護士-最高裁判所でも貫いたマチ弁のスキルとマインドを買ったら、たまたま関連で出てきたので購入。
2000年から2004年までという、司法制度改革真っ只中で最高裁判事となった著者の体験談である。
今年読んだ5冊目は夫婦同姓強制の違憲訴訟で唯一反対意見をだした山浦弁護士のお気の毒な弁護士-最高裁判所でも貫いたマチ弁のスキルとマインド
山浦先生の生い立ちから最高裁判事退官後の弁護士復帰後に至るまでのオーラルヒストリーである。
これまで色々な最高裁判事の自伝(最高裁回想録 --学者判事の七年半など)や少数意見集、エッセイ集、論文集などが出てきたし、オーラル・ヒストリーもいくつか存在する(福田 博 オーラルヒストリー「一票の格差」違憲判断の真意:外交官としての世界観と最高裁判事の10年
、一歩前へ出る司法---泉徳治元最高裁判事に聞く
など)が、山浦先生のそれはご本人の肉声が聞こえてくるようなところが随所に見られ、読ませるものだ。
最高裁判事に選任される方法というのは、少なくとも弁護士会からは、派閥→単位弁護士会→日弁連→最高裁→内閣という推薦の連鎖の末ということであり、しかも本人には殆ど途中経過が知らされないまま最後まで行くというところが興味深い。
同僚から抜き刷りを頂いたのでご紹介。タイトルからわかるように、裁判官の行動に対する公的な規制について、憲法学的な考察を加えたもので、現時点でのイシューとしては当然ながら岡口基一裁判官の問題がテーマとなる。この論文も、それを前面に押し出してはいないが、岡口問題を論じたものと位置づけても良さそうである。
松田浩「裁判官統制の憲法問題」憲法研究第7号(2020)61頁
松田教授は、プロフェッション論について先行する論攷があり、この論文ではその成果が土台となっている。すなわち、医師、弁護士、研究者の3つを代表的なプロフェッションとして、その団体による自律を構成員相互の自己規律、組織の自由と自律、内部規律の司法による受容と執行という3つのサブレベルの自律に分析し、その前提としてプロフェッションが備えるべき特性を、知的科学的技能、公益・利他性、高度な職能倫理、職能団体性の4つ挙げられた。
これを土台として、裁判官をプロフェッションの一つと位置づけ、しかし現在の(特に岡口分限事件における最高裁の)裁判官統制のあり方にはプロフェッション性という前提が欠けているが故に大きな問題を孕んでいるというのが、全体の趣旨である。
Gazette du Palaisのサイトによれば、フランス弁護士連合会(CNB)が弁護士の専門性証明書を発行するための申込み窓口をオンラインで開いたそうだ。
画像は、ツイッターのGaz.Pal.アカウントで出された証明書の映像。
この専門性表示は2012年から行われているが、そのオンライン申請が可能となったということ。
学部を3年で終える法曹コースとロースクール既修者コースの2年を組み合わせた3+2について、その協定を文科省が一昨日まで3階に渡って認定を行った。→文部科学大臣認定を受けた法曹要請連携協定一覧
国立公立私立あわせて57の協定が認定されているが、一つのロースクールが複数の学部法曹コースと協定を結んでおり、その逆もまたあるので、これらを集約すると、28のロースクールが協定を結んでおり、逆に34大学の法曹コースが協定を結んでいる。ロースクールで協定を締結していないのは7校、ロースクールを廃止した法学部等で法曹コースを作って協定を締結したのはやはり7校であり、残る22校は現段階では法曹コースを作って協定を結ぶということに至っていない。
LS別 3+2協定一覧
ダウンロード - 32b2e58d94e5ae9ae4b880e8a6a7lse588a5.pdf
学部別 3+2協定一覧
ダウンロード - 32b2e58d94e5ae9ae4b880e8a6a7e5ada6e983a8e588a5.pdf