2018/06/16

司法IT化が4行から17行にパワーアップ

昨年の司法IT化を宣言してその後の検討会につながった未来投資戦略2017から1年、先日閣議決定された今年の未来投資戦略2018では、検討の成果が織り込まれて具体的な記述となり、17行にパワーアップしている。

未来投資戦略2018

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2018/01/30

司法IT化検討会の第4回会議資料について

司法IT化検討会、正式には裁判手続等のIT化検討会と言うが、会議資料は迅速に公開されている。
残念ながら、議事要旨は12月1日のものが最後であって、前回12月27日のものもまだ公開されていないので、議論がどのようにされているかはわからないのだが、最新の会議資料が前回の議論内容を踏まえてのものだとすると、とてもアグレッシブに物事を進めようとしていると期待が持てそうである。

いくつか、メモ的に感想を書き留めておきたい。

Cedh


1. 訴状の提出段階

 ここでは、極めて明確にオンライン申立ての全面的な導入と、訴訟記録の電子化を原則とする方向が打ち出されている。全く賛成である。
 その上で(2) 提出方法については、「ウェブサイト上のフォームへの入力」で良いのではないか。これとその前に例示されている専用システム(サーバー)というのがどう違うかよく分からないが、この後の方に出てくる弁護士以外の本人申立ても可能とするのであれば、結局、一般にアクセス可能なウェブサイトとならざるをえないのではなかろうか。
 もちろんウェブサイトといっても、単純なHTTPのページというわけではなくて、e-filingに適したクラウド技術を用いて構築されるものであろうから、その中で、(3)訴状の作成に必要な事項を確実に記載させる方法とか、(4)の本人申立てにおける支援方法も、技術的な可能性を追求すべきである。今流行のマジックワードでいえば、AIの活用であろうか。

なお、(4)の本人申立てにおける訴状作成支援は、司法書士の本来的業務である。これは訴額に拘わらず、「代書」が可能なのであるから、ここで言われている法的側面のサポートは、弁護士でなければ司法書士である。しかしそれと分離したIT面のサポートであれば、例えば現在家裁が行っている手続案内のように、裁判所の本来業務の一部のようにも思える。それ以外で、既存の機関でこの面を担うべき位置づけにあるのは法テラスである。それ以外に、IT面に限ったサポートを行うというのは、よほど難しい技術を要する申立て方法を構築するのでない限り、あまり必要が無いのではないか。むしろ、構築すべきUIはできるだけユーザーフレンドリーなものとしておく方が健全である。

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2017/12/29

legal-info:下級裁判所の裁判書公開基準(原文も追記)

奥村先生のブログに、裁判書の公開基準が一部掲載されている。

貴重な資料なので転載させていただく。

追記:なお、別の方からも提供していただいたPDFファイルも掲載する。
「公開裁判例選別基準.pdf」をダウンロード

最近問題となった事例は刑事事件に関するものだが、民事事件についても、「性犯罪及びDV事件等に関する損害賠償請求訴訟等であって,裁判書の記載内容が公にされることにより,加害行為や被害の状況等が明らかとなり,それにより当事者に著しい被害を与える蓋然性があるなど,裁判書を公開すること自体が当事者等に回復困難な被害を与える事件」という項目があり、一般論としては配慮が必要だろうと思う。

Cedh


しかし判決文の公開は民主主義の基本で書いたように、社会的に関心の高い裁判例という選別基準には根本的に疑問がある。少なくとも各庁が判例雑誌に提供している判決は、全部、ネットに公開してもよいであろう。判例雑誌やデータベース会社はそこから各社の判断で、付加価値を付けた形で、再公開すればよいのである。

もちろん、下記に引用されているような要配慮事例は、性犯罪とかだけではなくもう少し認められても良いと思うが。

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2017/12/27

legal-info:判決文の公開は民主主義の基本

判決文のネット公開とこれにリンクした岡口裁判官のツイートに、当該事件の被害者遺族が抗議した。
岡口判事は直ちにツイートを削除したが、遺族は重ねて裁判所に苦情を申し入れ、裁判所は以下のような対応を取ったという。

高裁は取材に「事実関係を確認した上で適切に対処したい」と回答した。その上で、リンク先は裁判所の公式サイトだと説明。性犯罪に関わる判決文は載せないルールになっていたとして、高裁として遺族側の弁護士におわびしたという。

毎日新聞サイト
裁判官ツイッター
不愉快な思い 遺族、処分求める

Shisa

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2017/12/10

ITの発展と民事手続

情報法制研究という新しい雑誌の第2号に、表記の拙稿が掲載された。
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この雑誌は、情報法制学会という今年できた学会の学会誌であり、拙稿は創刊号に書く約束をしておきながら書けずに第二号にようやく載せていただいたというものである。

現在のところ、創刊号はウェブサイトにPDFファイルが公開されているが、第二号は載っていない。いずれ掲載されるのか、それとも創刊号だけなのか、サイトの構成からはよく見えないところではある。

というわけで、現在は紙媒体のみによるのだが、その拙稿には以下のような内容を書いた。小見出しに少しコメントを加えて紹介しよう。

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2017/07/20

court:最高裁が傍聴人に説明資料を配布(追記アリ)

えっ、と驚くような話だが。

傍聴人に「争点」説明資料 最高裁、初めて配布

どうした最高裁、とか茶化してはいけないだろう。

19日に行われた昨年参院選の「1票の格差」を巡る上告審弁論で、最高裁は傍聴人に裁判の概要や争点を説明する資料を配った。最高裁がこうした説明資料を傍聴人に提供するのは初めて。裁判を分かりやすく傍聴してもらう狙いがある。

 「傍聴人の皆様へ」と書かれたA4用紙1枚の資料は、大法廷の入り口付近で希望者に配られた。争点について「投票価値の平等の観点から定数配分の憲法適合性が争われている」と説明。高裁判決16件のうち10件が「違憲状態」と判断したことなども記した。

 最高裁は今後も大法廷で審理する裁判などを対象に配布を検討する。


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2017/01/15

Law:外国語、特に英語で法令を周知させる必要性が改めて示されている

富士通がニフティを何処かの家電量販店に売り飛ばすという報道を見て、このココログも売り飛ばされるのだろうなと思うと、10年以上続けたmatimulogの継続インセンティブが益々失われるのだが、それはともかく、ドローンに関して外国人に規制がわかりにくいという記事に接した。

訪日外国人が日本の航空法に反してドローンを飛ばす理由

Himejichateau

ちょっと前に姫路城にドローンを落とした訪日外国人がいてけしからん的なニュースが流れたが、それはむべなるかなの事情がある。
要するに、こういうことだ。

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2016/12/07

code:模範六法

物書堂の模範六法がアプリに出ている。

さて、4800円、買いだろうか?
今月19日までは、2900円でフルバージョンが買えるのだが。

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2016/11/13

decision:著作権法判例百選の差止め取消し

一部の法律関係者がこぞって注目していた事件に、新たな展開。

出版差し止め、高裁取り消し 「著作権判例集が著作権侵害」主張

著作権関係の主要な判決などをまとめた「著作権判例百選(第5版)」が出版差し止めの仮処分命令を受けた問題で、知的財産高裁は11日、差し止めを求めた大渕哲也・東京大教授は著作者とはいえず、差し止め請求権は認められないとして、命令を取り消す決定をした。

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ケチな朝日新聞サイトではろくな情報がないが、他のサイトでは少しマシかと思って探すと、NHKサイトでは以下のように書かれていた。

知的財産高等裁判所の鶴岡稔彦裁判長は「改訂前の雑誌で教授は『編者』の1人だったが、実質的には助言する立場にとどまっていて、著作権はない」として、出版の差し止めを命じた決定を取り消し、申し立てを退けました。 有斐閣によりますと、改訂版は去年出版する予定で延期していましたが、11日の決定を受けて「出版についてはこれから検討したい」としています。

まあ、あまり変わらない。

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2016/11/03

web法庫管理人のご逝去

法庫という法令データ提供サービスサイトの管理人がお亡くなりになったということである。享年58歳。
Houko

法情報学的には、法律情報のウェブ公開という出来事が一つのトピックである。

法令は、少なくとも日本の著作権法では権利の対象となっていないパブリックドメインであるし、のみならずそもそも主権者たる国民には可能な限りのアクセス機会が保障されるべき情報であるので、ウェブ技術が開発されてある程度普及した段階では、この法令情報へのアクセスをインターネット経由で、無料で、保障されるべきだという声が高まった。

実際には、法令データよりも裁判例のデータがアメリカのクリーブランド大学を中心とする実験プロジェクトで提供され始め、続いてコーネル大学のLeagal Information Institute (LII)が立ち上がり、その他多数のボランティアないし手作り商業ベースの個人サイトが立ち上がっていった。
日本でも、個人的ないしグループ的な試みが行われた。

欧州、特にフランス・ドイツでは、法情報に対する無料のアクセス権を主張する宣言が、ザールブリュッケン大学を舞台として出された。

そんなムーブメントの中で、法庫は、草分け的存在であり、かつ持続性のあるサイトとして貴重な存在であった。

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