Arret:欧州人権裁判所がフランスに対し、破毀院判事3名の利益相反で公正な裁判を受ける権利を侵害したと有責判決
欧州人権裁判所2023年12月14日判決(ジャーナリスト組合連合対フランス)n° 41236/18
Dalloz Etudiant, Actualitéの2024年1月15日の記事によると、フランス破毀院(最高裁)の判事3名が、長年報酬を得て研修など行ってきた出版社を当事者とする労働紛争について判決に加わったことで、公正な司法の原則を損なったと判断された。
欧州人権裁判所2023年12月14日判決(ジャーナリスト組合連合対フランス)n° 41236/18
Dalloz Etudiant, Actualitéの2024年1月15日の記事によると、フランス破毀院(最高裁)の判事3名が、長年報酬を得て研修など行ってきた出版社を当事者とする労働紛争について判決に加わったことで、公正な司法の原則を損なったと判断された。
フランスが判決データをオープンにすることを決めてから、着実に実現に向けての作業をしていたらしい。
破毀院がJurilibreというサイトを開いて、ベータ版といいつつ1947年以降の全破毀院判決と最近の控訴院判決(民事のみ)を仮名化して公開し、付加価値も付けているようだ。
ぜひ、次のビデオを見てほしい。
コンセイユ・デタのサイトでは、「数字で見る2022年の行政裁判所」と題するパンフレットがダウンロードできる。
そこでは、コンセイユ・デタを最上級裁判所として、行政控訴院、地方行政裁判所、そして亡命中央審判院とでも訳すべき機関が一年間に処理する件数や人員配置、予算などが一覧表示されている。
コンセイユ・デタ 既済事件が9833件
行政控訴院の既済事件は31,981件
地方行政裁判所の既済事件は232,332件
亡命中央審判院の既済事件は67,142件
これらの件数はいずれも前年に比較して減少している。
今年読んだ63冊めは小田中直樹さんの『フランス7つの謎』
これは面白い。特に端書きでフランスにカルチャーショックを受けるという話は、全フランス留学経験者に共通のものではなかろうか?
また歴史の専門家だけに、歴史的な分析が心地よく展開される。
今回の出張の目的の一つは、新設されたパリの一審裁判所での審理のあり方を観察してくることであった。
建物自体が、コロナ直前にかつてのコンシェルジュリーとして用いられていたシテ島のPalais de justiceから、一審裁判所が新たなPalais de justiceに移転されていて、訪問しそびれたままコロナで渡航すら難しくなっていたが、今回ようやくその念願を果たすことができた。
場所はパリの北北西のペリフェリック上にあるPorte de Clichyにあり、地下鉄では13番と14番に駅があるほか、トラム3bの停留所も近い。
威容を誇る高さの建物だが、一審裁判所に用いられているのは、手前に張り出している6階建ての部分で、そこに各種の法廷がある。
一審裁判所と言っているのは、2020年から登場したTribunal judiciaireのことで、従来の簡裁と地裁が統合されてできたものだ。
そして当然ながら少額だったり日本で言えば家事審判になるような事件が多数係属して審理されるので、一人法廷が数多く設置されている。6階建ての中に、ガラス張りが大胆に取り入れられた開放的な、しかし狭い法廷が極めて多く配置されているのだ。
そして事件の表示は、各法廷の前に設置されたスクリーンに表示され、タブレット端末のように手でスクロールして見ることになっている。
ただし、そのスクロールはどうもうまく動かなかった。弁護士も動かそうとして舌打ちして苛立っていたので、例によって先進的だが使いにくいシステムを入れてしまったということなのだろう。
空いている法廷を探してうろつきまわっていると、機関銃を持った警察官に呼び止められてどこに行くのか聞かれたから、事件関係者ではなくて傍聴希望者だというと、親切に「この階の法廷は特に記載がない限り自由に見て良いから頑張って」と送り出された。
フランス司法省のインスタで紹介されているフィジャックFigeac近隣裁判所の法廷は、1879年に建てられたものを全面リフォームしたもの。
近隣裁判所tribunal de proximitéというのは、日本で言うなら独立簡裁に相当する裁判所で、2019年までは小審裁判所と言っていたが、現在は日本の地裁に相当する司法裁判所の支部という位置づけになっている。
建物の外観は、古めかしい。