2019/01/29

arret:性別変更に手術を必要とする規定の合憲性(追記あり)

まだ報道しかなく、最高裁のサイトにも決定文がアップされていないので確かなことは分からないが、結論は不当だ。(追記:29日に全文公開)

性別変更に「手術必要」は合憲 裁判官2人が「違憲の疑い」指摘 最高裁が初判断

最決平成31年1月23日決定本文PDF

岡山家裁津山支部の決定などによると、臼井さんは体は女性だが心は男性でGIDと診断された。「身体的特徴で性別を判断されるのは納得できない」として、子宮と卵巣を摘出する手術を受けずに2016年に性別変更を申し立てた。同支部は17年に申請を認めず、18年に広島高裁岡山支部も支持。臼井さんが最高裁に特別抗告していた。

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2019/01/26

arret:刑事訴訟関係文書の提出判断者

今まではっきりしなかったところを最高裁が決してくれた。

最決平成31年1月22日決定全文PDF

民訴法220条3号に基づき、元被疑者・被告人と都道府県との国家賠償請求訴訟において、都道府県(警察)が所持している逮捕状請求書その他の関連文書の提出命令を申し立てた場合に、刑事訴訟法47条が問題となる。

訴訟に関する書類は、公判の開廷前には、これを公にしてはならない。但し、公益上の必要その他の事由があつて、相当と認められる場合は、この限りでない。

この公益の必要その他の相当と認められる事例があるかどうかを誰が決めるかというと、従前は、刑事訴訟記録の原本を保管する保管検察官であると言われていた。従って、この規定の解釈としても、保管検察官の合理的裁量の範囲内で提出義務を拒めるのか、それとも裁量権の範囲を逸脱しているのかが問題となってきた。

しかし、警察が捜査記録の写しを保管している場合、その保管者は都道府県(警察)なのである。検察官の判断なしに、警察が判断してしまってよいか、それともやはり検察官の判断を必要とするのか、その点がはっきりしてこなかった。
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2019/01/13

民訴教材:裁量移送の申立てが棄却された事例

こういうのは公表された裁判例に載らないので、外野としてはとても基調である。

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2018/12/26

arret:判例の射程について最高裁と高裁との見解が食い違った事例

いろいろな意味で興味深い裁判例が公表されている。

最決平成30年12月18日決定全文PDF

最高裁判所は,民訴規則203条所定の事由があるとしてされた民訴法324条に基づく移送決定について,当該事由がないと認めるときは,これを取り消すことができる

直接的には、民訴法22条1項の、移送決定の覊束力に関する条文の縮小解釈がなされた事例である。

(移送の裁判の拘束力等)

第二十二条 確定した移送の裁判は、移送を受けた裁判所を拘束する。

2 移送を受けた裁判所は、更に事件を他の裁判所に移送することができない。

3 移送の裁判が確定したときは、訴訟は、初めから移送を受けた裁判所に係属していたものとみなす。

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2018/10/25

arret:接見交通権侵害が認められた事例

最高裁判所が人権の砦だとかいう信用はすっかり地に落ちているのだが、それでもこういう判断で高裁の判決をひっくり返すあたりは、期待が持てる存在なのであろうか。

最判平成30年10月25日判決全文PDF

保護室に収容されている未決拘禁者との面会の申出が弁護人等からあった場合に,その旨を未決拘禁者に告げないまま,保護室収容を理由に面会を許さない刑事施設の長の措置は,特段の事情がない限り,国家賠償法上違法となる

保護室というのは、刑事収容施設法79条に定められた、以下のような場合に72時間以内を原則として収容する拘置所内の特別な部屋である。

一 自身を傷つけるおそれがあるとき。

二 次のイからハまでのいずれかに該当する場合において、刑事施設の規律及び秩序を維持するため特に必要があるとき。

イ 刑務官の制止に従わず、大声又は騒音を発するとき。

ロ 他人に危害を加えるおそれがあるとき。

ハ 刑事施設の設備、器具その他の物を損壊し、又は汚損するおそれがあるとき。

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2018/10/24

jugement:大量懲戒請求に損害賠償命令

<大量懲戒請求>在日弁護士への名誉毀損認定 男に賠償請求

北先生や佐々木先生のようなとばっちり型ではなく、人種差別・民族差別型といえようか。

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2018/08/12

jugement:民泊差止判決

マンション民泊 差し止め命令 
東京地裁 規約で禁止後も営業で

マンション管理組合が、規約の改正により禁止した民泊行為を差し止める訴えが認容されたというものである。

判決の日付は不明。

当然の判断ではあるが、注目できるのは以下の点。

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2018/08/11

jugement:ニセ医師に実害無しで執行猶予

無免許で整形手術に猶予刑 高知地裁判決 患者に被害なし

量刑相場なんて全然知らないが、こういうものなんだろうか?

医師免許を持たずに美容整形手術を行ったとして、医師法違反などの罪に問われた高知市本町1丁目の「西武クリニック」元職員の男性B被告(62)=名古屋市天白区=の判決公判が9日、高知地裁であり、山田裕文裁判長は懲役2年、執行猶予4年、罰金80万円、追徴金6万9120円(求刑懲役2年6月、罰金80万円、追徴金6万9120円)を言い渡した。

判決などによると、男性B被告は同クリニックを経営していた香美市土佐山田町山田の男性A被告(72)=有罪判決済み=と共謀し、2016年2~8月、高知市内の女性(50)ら5人に対し、まぶたを二重にする手術などを行った。また、2人の女性にやせ薬として向精神薬を譲り渡した―としている。


Temis1


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2018/04/05

jugement:弁護士会照会をしたことを不法行為とする賠償請求が棄却された事例

非常に興味深い事例である。

京都地判平成29年9月27日PDF判決全文

事実関係は込み入っているが、かいつまんで言うと、同族会社の元社長の息子が勤務実態もないのに給料を得ていたとして、会社が元社長に会社法423条の責任を追及した訴訟で、一審は請求棄却となったので、控訴審で会社側代理人が弁護士会を通じてその息子の確定申告書10年分を関与税理士に提出するよう、弁護士会照会をした。税理士はこの照会に応じて確定申告書を弁護士会に提出し、これを入手した会社側代理人が上記の訴訟で勤務実態のないことを立証し、会社は逆転勝訴した。
そこで、息子が、自身の確定申告書を提出した税理士に守秘義務違反であるとして損害賠償を求め、この訴訟は一審で請求棄却となったものの、控訴審で守秘義務違反の不法行為が認められ、請求認容となった。この事自体も注目に値するものではある。
それとは別に、息子が、守秘義務違反となるような報告を求める弁護士会照会をした事自体が不法行為であると主張し、照会元の弁護士会を訴えたのが本件である。
Temis1


これに対して浅見コートはどう答えたか?

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2018/04/01

arret:民訴教材:直接主義違反

読売新聞:別の裁判官が判決文に署名…控訴審判決を破棄

最判平成30年3月30日は、原判決に署名した裁判官が口頭弁論に関与していなかったとして破棄し、差し戻した。

関係する条文は以下の通り。

第二百四十九条 判決は、その基本となる口頭弁論に関与した裁判官がする。(二項以下略)
第三百十二条 (一項略)

2 上告は、次に掲げる事由があることを理由とするときも、することができる。ただし、第四号に掲げる事由については、第三十四条第二項(第五十九条において準用する場合を含む。)の規定による追認があったときは、この限りでない。

一 (略)

二 法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したこと。(三項以下略)

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