2020/08/04

arret:幼児の逸失利益について定期金賠償が認められた事例

最判令和2年7月14日(PDF判決全文


4歳の子がトラックにはねられて高次機能障害を負ったという事例で、18歳から67歳までの収入喪失に関する逸失利益を定期金賠償するよう求めて、原審もこれを認めたところ、被告側が定期金賠償は被害者の死亡により支払い義務の終期がくる性質の賠償について認められるものであるから逸失利益には妥当しないなどとして上告した。


最高裁は上告棄却。


一時金による逸失利益の賠償額算定は、不確実な将来予測とフィクションに基づくもので将来現実化した事情と乖離する可能性があり、また民法は一時金でなければならないという規定はおいておらず、かえって定期金賠償を前提とする民訴法117条があるので、損害の公平な分配のためには一時金賠償が妥当な場合もある。


 

続きを読む "arret:幼児の逸失利益について定期金賠償が認められた事例"

| | コメント (0)

2020/08/03

arret:国賠の求償義務者複数は連帯債務を負う

最判令和2年7月14日(PDF原文

大分の教員採用試験不正に関して、収賄して不正を行った県職員やそれを黙認したり自らも不正を行ったりした職員らに対しては、不正で不合格となった受験生等への賠償金についての求償権が発生するところ、住民訴訟により求められた求償権の行使が複数の求償義務者に対する分割債務となるとの見解をとった原判決を最高裁は破棄して自判した。

続きを読む "arret:国賠の求償義務者複数は連帯債務を負う"

| | コメント (0)

2020/04/07

jugement:SNSで自殺志願者を嘱託殺人

東京地判令和2年4月6日NHK報道

大学生の被告人(22)は、去年9月、ツイッターで自殺志願者を募り、連絡してきた当時36歳の女性を東京池袋のホテルで首を絞めて殺害したとして、懲役5年を言い渡した。

 

続きを読む "jugement:SNSで自殺志願者を嘱託殺人"

| | コメント (0)

2020/03/06

#消費者裁判手続特例法 による #共通義務確認訴訟、初判決、しかも勝訴!

COJ(消費者機構日本)の皆様、おめでとう御座います。

 

日本版クラスアクションとも呼ばれる消費者の集団的被害回復裁判手続、立法過程で酷く重いものにされてしまいましたが、それでもその活用を実践されたことは高く評価できると思います。

これからが大変ですね。

 

 

続きを読む "#消費者裁判手続特例法 による #共通義務確認訴訟、初判決、しかも勝訴!"

| | コメント (0)

2019/10/04

SLAPP訴訟にまたまた断罪

DHC会長に賠償命令、東京地裁 批判弁護士提訴は「違法」

 

訳のわからない行動ではあったが、自らが明らかにした政治家への資金提供について批判されると、名誉毀損といって訴えたDHC会長の訴えがSLAPP訴訟だとの反撃に遭い、敗訴したとのことである。

続きを読む "SLAPP訴訟にまたまた断罪"

| | コメント (0)

2019/10/02

夫婦別姓の選択制を求める裁判で判決

9月30日と今日、10月2日、それぞれ別々の原告による訴訟について判決がくだされ、結論的には夫婦同姓強制制度の違憲性は認められなかったという。

 

【速報】第二次夫婦別姓訴訟、東京地裁で原告敗訴 「違憲」認めず

夫婦別姓の婚姻届が受理されず、法律婚ができないのは違憲だとして、東京都世田谷区在住の大学教員の事実婚夫婦と東京都在住の事実婚夫婦の妻の3人が、国を相手に損害賠償を求めた第二次夫婦別姓訴訟で、東京地裁(大嶋洋志裁判長)は10月2日、原告の訴えを棄却する判決を言い渡した。

 

夫婦別姓訴訟、東京地裁でまた敗訴 「議論は高まっているが…」弁護士の訴え棄却

東京弁護士会の出口裕規弁護士とその妻。同姓規定は憲法に反する上、国連の女性差別撤廃委員会から度々、改正するよう勧告を受けているにも関わらず、国会はこれを放置しているなどとして、国を相手取り合計10円の損害賠償を求めていた。

しかし、判決では最高裁大法廷判決以後、「議論の高まりは見られることなどが認められる」としながらも、夫婦同姓の規定が憲法に違反するといえるような事情の変化は認められないと結論づけ、請求を棄却した。

 

Temis2

続きを読む "夫婦別姓の選択制を求める裁判で判決"

| | コメント (0)

2019/09/25

民訴教材:N国の訴え提起が不法行為とされた事例

NHKから国民を守る党の立川市議会議員がインターネットの記事で名誉を傷つけられたとフリージャーナリストを訴えた裁判で、千葉地方裁判所松戸支部は、逆に訴えを起こしたことが不法行為だとして、市議会議員に78万円余りの賠償を命じました。

 

N国党立川市魏に賠償命じる判決

 

Temis1

続きを読む "民訴教材:N国の訴え提起が不法行為とされた事例"

| | コメント (0)

2019/09/19

jugement:同性カップルの事実婚

いずれ正確な判決文が公表されることと信じたいが、とりあえず備忘的に書いておこう。

同性カップルの事実婚も「法的保護」認め、不貞行為の元パートナーに賠償命令…原告側「画期的な判決」

宇都宮地裁真岡支部(中畑洋輔裁判官)は9月18日、事実婚の破綻を原因とする損害賠償請求を認容した。

その判決文中にて、以下のように書かれているところが凄い。

Rainbeau

続きを読む "jugement:同性カップルの事実婚"

| | コメント (0)

2019/05/09

arret:子の引渡しの審判に基づく間接強制が過酷執行として許されないとされた事例

最決平成31年4月26日決定全文PDF

平成最後の最高裁決定(の一つ)は、家事審判に基づいて子の引渡しの強制執行をしようとしたところ、直接執行においては子が泣いて拒み、呼吸困難になるなどの状況で執行不能となり、人身保護請求においても被拘束者たる子が拒絶の意思を示して請求棄却となったという場合に、間接強制決定を求めることが過酷執行として権利濫用となり、許されないとした事例である。

間接強制は強制執行段階であるから、本案の問題である子の引き渡し義務の存否を再検討することは通常できない。それにもかかわらず、上記のような経緯の下で間接強制決定を否定したことは、注目に値する。

続きを読む "arret:子の引渡しの審判に基づく間接強制が過酷執行として許されないとされた事例"

| | コメント (0)

2019/01/29

arret:性別変更に手術を必要とする規定の合憲性(追記あり)

まだ報道しかなく、最高裁のサイトにも決定文がアップされていないので確かなことは分からないが、結論は不当だ。(追記:29日に全文公開)

性別変更に「手術必要」は合憲 裁判官2人が「違憲の疑い」指摘 最高裁が初判断

最決平成31年1月23日決定本文PDF

岡山家裁津山支部の決定などによると、臼井さんは体は女性だが心は男性でGIDと診断された。「身体的特徴で性別を判断されるのは納得できない」として、子宮と卵巣を摘出する手術を受けずに2016年に性別変更を申し立てた。同支部は17年に申請を認めず、18年に広島高裁岡山支部も支持。臼井さんが最高裁に特別抗告していた。

続きを読む "arret:性別変更に手術を必要とする規定の合憲性(追記あり)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧