Jugement:不法行為加害者である未成年者の母親の監督責任を認めない一方、被害者の兄に民法711条による請求を認めた事例
事案は、15歳の少年が被害者女性を商業施設内で刺し殺したというものであり、被害者の母(原告A)と兄(原告B)が加害者本人(被告1)とその母親(被告2)に対して、不法行為に基づく損害賠償を求めたもので、根拠法条として民法709条の損害賠償請求権の相続による原告Aの取得とともに、遺族固有の慰謝料を原告ABともに請求している。また、被告2に対する請求は監督責任を怠ったことに基づく不法行為責任の追及である。
判決は、被告1に対する損害賠償を原告AとBともに認め、被告2に対する請求は棄却した。
主な論点は、兄である原告Bが民法711条に基づく慰謝料請求をできるのかと、親権者である被告2に監督責任が認められないのかどうかである。