2023/12/24

離婚の際の親権帰属がこうなるという見取り図

法制審議会家族法制部会第35回会議(令和5年12月19日開催)で示された要綱案案とその補足説明資料について、内容と順番を協議離婚と裁判離婚、そして親権と監護権の定め方という形に再構成してみたので、ここに共有しておく。

個人的な備忘録であり、特に内容に関する評価は加えておらず、それは今後の課題となる。また養育費や面会交流などの改正要綱は後日、補充して、とりあえず親権帰属の改正案に限っての整理である。

誤解している部分があれば、ご指摘を賜りたい。

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2023/12/21

Book:三淵嘉子と家庭裁判所 #虎に翼

今年読んだ37冊目は清永聡さんの『三淵嘉子と家庭裁判所

 

来年前半の朝ドラ『虎に翼』 のヒロインが、この本の主人公の三淵嘉子である。

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2023/08/08

arret: 婚姻費用分担請求に関する最高裁の判断例

最決令和5年5月17日決定全文PDF

 事案は、婚姻前に二股かけていた女性が、その一方の結婚し、その二ヶ月後に出産した子供の親は結婚しなかった方の男性だったという事例で、しかしそのことは夫には知られずに2人の子として出生届を出した。その後、5年後の令和元年10月に、妻の方から離婚を切り出して別居し、子は妻が監護しているところ、夫が父子関係を疑ってDNA鑑定を行ったので、上記の事実が明るみに出た。

 そこで、夫から妻と子に父子関係不存在確認と離婚を求める調停を提起し、これは不調に終わった。その後、訴訟に至っている。他方妻から夫に対して婚姻費用の分担請求調停が出され、これも不調に終わって審判に移行した。

 原々審は父子関係が不存在だという認定のもとで婚姻費用分担請求は信義則に反するとして却下。

 原審は父子関係の存否が訴訟で決せられるまでは、扶養義務を免れないとして、婚姻費用月額4万円の支払いを命じた。

 妻側が許可抗告に及び、最高裁の判断が示されることになった。なお、原審決定後に、夫の子に対する父子関係不存在確認請求は認容され確定している。

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2022/11/24

Book:弁護士のための史上最悪の離婚事件

今年読んだ75冊目は、Twitterでおなじみ赤ネコ先生の『弁護士のための史上最悪の離婚事件

 

私は弁護士ではなく、むしろ現在のところ依頼人側であるので、そのような目で読んだ。他山の石。 

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2022/04/22

外国で結婚した日本人夫婦の婚姻届提出とその後の処理

映画監督の想田和弘さんと柏木規与子が挑んだ夫婦別姓訴訟判決(東京地判令和3年4月21日PDF判決全文)は控訴されずに確定したが、その後、婚姻届を再提出するというニュースが現れた。

別姓婚 日本も有効?婚姻届再提出 瀬戸内の夫妻 戸籍に記載求め近く

記事によれば、「東京地裁が昨年4月、判決で婚姻関係を認めた一方、戸籍への記載は具体的な判断をしないまま請求を退けた」ということから、東京で婚姻届を提出し、役所が受け付けないであろうから、改めて家裁に不服申立ての請求をする予定だという。以下、代理人弁護士の弁。

「地裁が婚姻関係を認めている以上、役所が応じなくても、家裁が受理を命じる可能性は十分にある」と予想。「そうなれば、裁判所で婚姻関係が認められながら戸籍に記載できていないという不合理な状態の解消につながる」

なるほど頑張って欲しいところだが、この記事にはかなりミスリードな部分があるので、上記の判決文を読んでみないとよく分からなかった。

 

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2022/03/26

AV出演契約の拘束力は性的自己決定権放棄の限度で強制不能

18歳、19歳のAV出演契約取消権が、成年年齢引き下げに伴って失われてしまうことが問題視されている。

 

しかし、この議論にいまいち乗り気になれないのは、20歳以上でも同じだと思うからで、もし特別法などで例外的に取消権を認めてしまったら反対解釈の根拠になってしまわないかとも心配する。

その他、高校生の問題に惹きつけた報道が目立ってしまったり、親の同意を得た出演には問題がないのかという事になったり、成年年齢の引き下げに伴ってクローズアップすることによる歪が出てくる。

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2022/02/01

親子法制の改正要綱案2022〜懲戒権と再婚禁止期間の撤廃

法制審で、親子法制の改正要綱案が提出された。

 

時事通信:嫡出推定、婚姻後は「現夫の子」 再婚禁止期間を撤廃―民法改正・法制審要綱案

最高裁の違憲判断で見直したはずの再婚禁止期間は、この機会に撤廃し、婚姻前に懐胎した子でも婚姻中に懐胎したのと同様に夫の子と推定する。

また婚姻解消後300日以内に生まれた子はその解消前に懐胎したものと推定するので、婚姻解消後すぐに別の男性と結婚して出産した場合は嫡出推定が重なることになるが、その場合は現在父を定める訴えによって決めることになっているところを出生の直近の婚姻における夫の子と推定するとした。

これは今結婚している夫の方が養育環境が良いという判断だ。

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2021/08/22

Book:女たちのポリティクス(読後感)

今年読んだ41冊目は、ブレイディみかこさんの女たちのポリティクス 台頭する世界の女性政治家たち (幻冬舎新書)

 

期待通り、とても面白かった。 

女性政治家たちの中でも、メイ首相のような徹底的にこき下ろされてしまう人もいれば、スタージョンとかAOC(アレクサンドリア・オカシオ=コルテス)とかアーダーン首相、サンナ・マリン首相などのようにプログレッシブと評されるダイナミズムの持ち主と、フェモナショナリズムを体現してしまうマリーヌ・ル・ペンやアリス・ワイデル、ジョルジャ・メローニ、シーブ・イェンセンといった右翼女性リーダーたち、それに独特の漬物石として評価に困っている風のメルケルと、ブレイディみかこさんの目から見ても実に多様な女性政治家たちが活躍している。 

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2021/05/03

同性婚と選択的夫婦別姓

大学の授業は二年連続のオリンピックシフトのせいで休日を奪われてしまったが、憲法記念日であるので、憲法に関することを考えてみた。

Mamabebe_20200215183101 最近は憲法論議のホットイシューが多様化しているが、特に議論が盛んなのが、表題に掲げた同性婚と選択的夫婦別姓という2つのテーマである。家族関係には、他にも生殖補助医療の発達による親子関係のゆらぎが大きなイシューで、こちらの方はさほど政治的対立にならないせいか立法論議が静かに進んでいる感がある。とはいえ難しい問題だけに、スピードは遅いが。

それに対して選択的夫婦別姓が立法と司法の両フィールドでチャレンジされ、現状維持の厚い壁に阻まれつつも、導入を求める声がますます強まっているし、世論調査ではどうやら選択的夫婦別姓導入に賛成意見が多数を占めるようになってきたらしいというのが現状であろうか。それを背景に、立法論議が政権与党内でも盛んになってきているように見える。

また同性婚も、国の制度としてパートナーシップすら導入していない周回遅れの日本ではあるが、海外での同性カップル保護と法律婚承認の波に押されてか、次第に導入の是非をめぐる議論が高まっており、下級審の傍論とはいえ、同性カップルに婚姻制度の適用を全く認めない現状を違憲とする判決もだされている。

 

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2021/04/26

Book:女性と戦後司法〜裁判官、女性がおわかりですか?

今年読んだ22冊目は、女性と戦後司法 裁判官、女性がおわかりですか?

 

あのあなた、それでも裁判官? 女性に優しい司法を求めてを書いた中村久瑠美弁護士の、まあ、エッセイ集というべきか。

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