2025/08/27

法定養育費と養育費等の先取特権の対象額が固まる

「法定養育費」月額2万円とする省令案まとめる 法務省 | NHK www3.nhk.or.jp/news/html/2025

「法定養育費」について、子どもの最低限度の生活を維持するのに必要な標準的な費用の額として、子ども1人当たり月額2万円としています。

また、養育費の支払いが滞った場合は財産を差し押さえて、子ども1人当たり月額8万円までを上限として、優先的に弁済を受けることができるとしています。

 

Mamabebe 記事によれば、子ども一人あたりの法定養育費が2万円ということで、最低限度という点では多いとも少ないとも評価しづらい微妙な線になったといえる。もちろん同居親にとっては少なすぎるという反応になるだろうけど。

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2025/05/01

夫婦別姓選択制は戸籍制度の破壊?

Justicepolonaise  Xで「戸籍が重視される民族性」と書く人がいて、なんと人工的でちっぽけな制度がよりどころの「民族」なんだろうかと思ったけど、そういうこと書く人たちにとっての「戸籍」って、戸籍法とか民法とかが作っている法制度のことを言っているんじゃないのかもしれないと考え始めた。
 韓国の「本貫」のような、同族制みたいなのが表象されているのが「戸籍」で、その同族たる証が「姓・氏」みたいなイメージなのかもしれない。
 そうなると、そういうイメージ上の「戸籍」は法律上の戸籍制度がどうなろうと変わるわけではないので、夫婦別姓の可能性を戸籍法改正で認めても、問題なさそうなのだが。

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2025/04/17

UK最高裁によるトランスジェンダーと平等権

 UK最高裁は2025年4月16日、トランスジェンダーの人が性別認定証明書により認められた性として扱われることを2010年平等法の元で保障されるか、言い換えると同法の男性、女性、性別という概念は性別認定証明書により認められた性を含むのか、それとも生物学的な性に限るのかという問題について、生物学的な性に限るとの解釈を示して、性別認定証明書により認められた性を含むとするスコットランド政府のガイドラインを違法と判断した。

判決文PDF

Justicepolonaise  以下、事実関係と、判決文のごく簡単な要約を示す。なお、判決自身も要約をしており(265)、また裁判所としてプレスリリースにまとめた文書があるので、詳しくはそちらを参照されたい。

 問題は、スコットランド議会が制定したGender Representation on Public Boards (Scotland) Act 2018の規定上、「女性」の意味にトランスジェンダーで女性となった人(以下MtoFともいう)が含まれるかという解釈問題で、スコットランド政府は当初幅広く女性と認識される人と解釈していたが、これに今回の訴訟原告でもある女性団体(For Women Scotland Ltd)が異議を申し立てて、スコットランドの高等法院(Court of Session)のInner House(控訴審を担当)がそのような解釈の下での法律はスコットランドの立法管轄権を逸脱するとして無効とした。
 そこでスコットランド政府は、「女性」の意味がthe Equality Act 2010(2010年平等法)での「女性」と同様であり、その中にはGender Recognition Act 2004(2004年性別認定法)が設けた性別再認定証明書(GRC)を有する女性(つまり公的に認められたMtoF)も含まれるとのガイドラインを制定した。
 本件は、このガイドラインの解釈が違法であることの確認をスコットランドの女性団体が求めて提訴したものである。

 これについて、スコットランド高等法院は一審も控訴審も、訴えを棄却し、スコットランド政府の解釈が適法であると認めた。そこでUKの最高裁に上訴がなされた。

 

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2024/05/30

Book:裁判官三淵嘉子の生涯

今年読んだ16冊目は、朝ドラ関連商品の伊多波碧『裁判官三淵嘉子の生涯

朝ドラのノベライズではなく、そのモデルとなった三淵嘉子先生の伝記というか、まあ小説であるので、当然、朝ドラとはストーリーとか人間関係とかが微妙に違うのだが、それでもついつい伊藤沙莉と石田ゆり子の顔を脳裏に浮かべながら読んでしまう。

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2024/03/26

Book:同性婚と司法 by 千葉勝美

今年読んだ11冊目は、最高裁元判事の千葉勝美さんが書いた『同性婚と司法』(岩波新書)

Justicepolonaise

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2023/12/24

離婚の際の親権帰属がこうなるという見取り図

法制審議会家族法制部会第35回会議(令和5年12月19日開催)で示された要綱案案とその補足説明資料について、内容と順番を協議離婚と裁判離婚、そして親権と監護権の定め方という形に再構成してみたので、ここに共有しておく。

個人的な備忘録であり、特に内容に関する評価は加えておらず、それは今後の課題となる。また養育費や面会交流などの改正要綱は後日、補充して、とりあえず親権帰属の改正案に限っての整理である。

誤解している部分があれば、ご指摘を賜りたい。

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2023/12/21

Book:三淵嘉子と家庭裁判所 #虎に翼

今年読んだ37冊目は清永聡さんの『三淵嘉子と家庭裁判所

 

来年前半の朝ドラ『虎に翼』 のヒロインが、この本の主人公の三淵嘉子である。

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2023/08/08

arret: 婚姻費用分担請求に関する最高裁の判断例

最決令和5年5月17日決定全文PDF

 事案は、婚姻前に二股かけていた女性が、その一方の結婚し、その二ヶ月後に出産した子供の親は結婚しなかった方の男性だったという事例で、しかしそのことは夫には知られずに2人の子として出生届を出した。その後、5年後の令和元年10月に、妻の方から離婚を切り出して別居し、子は妻が監護しているところ、夫が父子関係を疑ってDNA鑑定を行ったので、上記の事実が明るみに出た。

 そこで、夫から妻と子に父子関係不存在確認と離婚を求める調停を提起し、これは不調に終わった。その後、訴訟に至っている。他方妻から夫に対して婚姻費用の分担請求調停が出され、これも不調に終わって審判に移行した。

 原々審は父子関係が不存在だという認定のもとで婚姻費用分担請求は信義則に反するとして却下。

 原審は父子関係の存否が訴訟で決せられるまでは、扶養義務を免れないとして、婚姻費用月額4万円の支払いを命じた。

 妻側が許可抗告に及び、最高裁の判断が示されることになった。なお、原審決定後に、夫の子に対する父子関係不存在確認請求は認容され確定している。

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2022/11/24

Book:弁護士のための史上最悪の離婚事件

今年読んだ75冊目は、Twitterでおなじみ赤ネコ先生の『弁護士のための史上最悪の離婚事件

 

私は弁護士ではなく、むしろ現在のところ依頼人側であるので、そのような目で読んだ。他山の石。 

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2022/04/22

外国で結婚した日本人夫婦の婚姻届提出とその後の処理

映画監督の想田和弘さんと柏木規与子が挑んだ夫婦別姓訴訟判決(東京地判令和3年4月21日PDF判決全文)は控訴されずに確定したが、その後、婚姻届を再提出するというニュースが現れた。

別姓婚 日本も有効?婚姻届再提出 瀬戸内の夫妻 戸籍に記載求め近く

記事によれば、「東京地裁が昨年4月、判決で婚姻関係を認めた一方、戸籍への記載は具体的な判断をしないまま請求を退けた」ということから、東京で婚姻届を提出し、役所が受け付けないであろうから、改めて家裁に不服申立ての請求をする予定だという。以下、代理人弁護士の弁。

「地裁が婚姻関係を認めている以上、役所が応じなくても、家裁が受理を命じる可能性は十分にある」と予想。「そうなれば、裁判所で婚姻関係が認められながら戸籍に記載できていないという不合理な状態の解消につながる」

なるほど頑張って欲しいところだが、この記事にはかなりミスリードな部分があるので、上記の判決文を読んでみないとよく分からなかった。

 

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