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2025/12/29

Book:有罪、とAIは告げた

今年読んだ78冊目は中山七里の『有罪、とAIは告げた

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表題から推察できるように、AIが裁判官個々人の考え方と事実、証拠などを入力することで、その裁判官であればこのように判断するというシミュレーションを提示するという機能を持ち、各裁判官が自分の起案作業の省力化のために利用するという設定である。

そのインストラクター役を任されたのが、中山七里の別の作品キャラクターである高遠寺静裁判官のお孫さん、円判事補である。

しかし、インストラクターとして解説から準備の手伝いまでを指導している高遠寺円判事補は、自分では使わないでいたが、自らが加わる合議体の裁判長が尊属殺事件で自分の考え方に基づく判決予測をしてしまって・・・というお話である。

 

そのAIコンピュータ法神は、中国の製品であり、そんなの日本の裁判所が採用するのかと思ったが、考えてみると現実の日本の裁判所もMS製品であればためらいなく使うわけで、その点ではあながちありえないことはない。

そんなことより、AIが裁判官の思考をトレースして判決予測をできて、それをトレースされた方の裁判官が無批判に利用するというおとぎの国の話なのでマジレスすべきことではないのかもしれないが、それにしても合議体の一員である円判事補が、担当事件の捜査担当刑事を裁判官室に呼出して事件の内容とか刑事の私的な見立てとかを聞き出すという点に、起訴状一本主義を習った私としては気持ち悪さを感じてしまってかなわない。それに被告人とも個人的に話をする機会があったりして、まるで奉行が岡っ引きを使って犯人と直接接触するような江戸時代的な裁判官の振る舞いをするのだ。

さらには、左右の陪席裁判官は裁判長の言うことに絶対に逆らえないとかも気になるし。

そういう部分をすべて取っ払ってAI裁判ものとして楽しんだとしても、最後のどんでん返しの原因となったのは、あまりにプリミティブな話だし、そもそもそういうプリミティブな欠陥がブラックボックスとなっているAIの学習過程の中で見いだせるのかというのも疑問であった。

ということで、中山七里先生に置かれましては、もう少しリアリティの中にAIの可能性とリスクを設定したストーリーを作っていただきたく思います。

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