Book:金環日食
舞台は札幌、そして北大をモデルとしたH大に属する登場人物が多く、文学部で心理学を専攻する女子学生が主人公の一人で、その他に経済学部生がいて、しかも関係するサークルが黒薔薇会という美術部があり、黒百合会を見てきたんだなぁとか、おそらく新サ館と思われるサークル会館からクラーク会館と思われる食堂まで昼食を取りに歩くといった非現実的な描写(もちろん教養食堂なら全然あり)があったりとか、前半は北大生うちわ受けで楽しかった。
しかし、中盤からは、重苦しい、貧困から犯罪に絡め取られるストーリーに苦しくなり、これからどうなるんだろうという不安の中で読み進んでいった。
創元文庫に書くならミステリを書きたいといって書かれた作品で、ただしミステリと言ってもいわゆる謎解きのミステリというよりは描写されていない過去が次第に明らかになっていくという意味での謎に満ちた作品であった。
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