教皇フランソワの死を悼み、業績を偲ぶ
信者との交流でも親しみやすく気さくな人柄として知られる彼は、子供のいたずらにもよく付き合っていたが、そんな性格だからか、カトリックの長年の伝統とも言うべき宿痾を次々と改革していった。
洗足式を少年院で、少女やイスラム教徒も対象に(2013)
枢機卿時代から刑務所などで洗足式を行なってきた教皇フランソワは、少年院で、しかも二名のイスラム教徒である少女を含む少年たちに対して洗足式をおこなったとして著名になった。
同性愛者も神を信じる者は善き人と認める(2013)
基本的には同性婚に反対の立場を崩さない教皇フランソワであったが、「同性愛者の権利を擁護し、シビル・ユニオンを後押しする」との立場を打ち出した。後に同性愛カップルの祝福をカトリック教会で可能としたのも、驚きを持って迎えられた。
環境に配慮するようCOPパリ会議と教会にメッセージ
フランソワの名は、アッシジのフランソワが有名だが、彼は弱者と環境の守護者でもあった。また、教皇フランソワ自身に、枢機卿時代から環境問題に深く傾倒していた。
ロシア正教トップと1000年ぶりに面談(2014)
ただし、教皇フランソワの就任式にコンスタンチノープル総主教が1054年ぶりに出席されているので、この東西交流はそれまでの教会の活動の成果ではある。
アブダビを訪問しイスラム教の半島を訪れた最初の教皇となる(2019)
イスラム教との対話はヨハネ・パウロ2世が推進し、カイロを訪れたりもしたが、アラビア半島を訪れた教皇は史上初。
教会のセックススキャンダルを糾弾し、児童性虐待への対策会議を開く
この点は前任者の継承であり、ゼロトレランス方式が評価されている。しかし内部調査により処分で不十分との誹りを受けている。
カナダ先住民の同化政策にカトリック教会が深く関わったことを謝罪(2022)
コンゴでも植民地主義を謝罪し、またボリビアでもラテンアメリカの植民地化を謝罪した。
このほか、新型コロナ、難民問題、平和主義など数多くのメッセージを世に送り続けた教皇フランソワは、宗教保守派から反発を受けつつ、またより抜本的な社会正義を求める人たちからは不十分と批判されつつ、信念に従った人生を全うしたのではなかろうか。
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