arret:海外の臓器あっせん業が臓器移植法違反に問われた事例
東京高判令和6年12月6日(PDF判決全文)裁判例watch
無許可で臓器提供あっせんした罪 NPO法人理事に2審も実刑判決
高裁は、基本的に原判決の判断を肯定し、臓器移植法の「目的や基本的理念が、移植医療の適正な実施、臓器提供の任意性の確保、移植術を受ける機会の公平性の確保等にあり(同法1条、2条)、国外における移植術に関しても、許可を受けない者が業として臓器のあっせんを行った場合には、原判決が指摘するとおり、前記のような臓器移植法の目的や基本的理念に反する種々の弊害の生じるおそれがあることに鑑みれば、あっせん行為の一部又は全部が国内で行われる限り、それが国外における移植術に関するものであっても、臓器移植法12条1項の定める厚生労働大臣の許可が必要であると解するのが相当である。」と判示した。
また、「本件各行為は、移植実施施設と移植希望者との間の仲介行為に過ぎないから、同条項の「あっせん」には該当しない、と主張する」所論に対しては、その場合でも臓器移植法の基本的理念等に反する弊害の生じることが想定されるので、狭く解する必然性はないとした。
本判決の中で、被告人側が「本件で有罪となれば、移植希望者への支援活動は事実上禁止されて、今後、国内患者が国外移植を受ける道が閉ざされるとも主張する」のに対して、それでも構わないと言い切ってしまっているところは気にならないではない。
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