Book:社会科学研究者のためのデジタル研究ツール活用術
今年読んだ3冊目は社会科学研究者のためのデジタル研究ツール活用術-アプリ・デバイスから生成AIまで、生産性をあげるアカデミック・ライフハック
はしがきには、学部生や大学院生向けと書かれているが、いやいやなかなかどうして、研究者として既に終わりが近づいている私にも大いに参考になる本であった。
というのも、この本は普通の研究方法指南の本ではなく、デジタル環境全盛の現時点での文献探索や情報収集、情報整理と活用の具体的方法を紹介している本だからである。
もちろん私もデジタル環境ではもはや紙のコピーよりもデジタル情報の収集を中心にしているし、紙媒体資料がまだまだ多い法学分野でもコピー容姿ではなくスキャンしてハードディスクにしまうことがほとんどであるから、その意味では他の人が具体的にやっている方法を覗き見る楽しみがあった。
「筆者はハードカバーの研究書はいまでも紙媒体で読みますが、論文はもう、ほぼ紙媒体では読まなくなりました。」(29頁)
そして私も、この方法にはメリットと快適さしか感じなくなっている。
それだけでなく、クラウドワーカーへの依頼を行って研究活動を外部化する手法などは、やったことがないので大いに参考にしたい。とは言っても年度末でもう予算がないので、科研費その他の大型研究費がまたとれたらということになるが。
あと、惜しいのは、おそらく筆者は英語圏を主たるリサーチと発表のフィールドにしているのであろう。この本で書かれていることがどこまで日本語環境、あるいはフランスをフィールドにしている場合に使えるのか、これは自分でやってみるしかなさそうである。少なくともDeepLはフランス語でも全然問題ないのだが、文献管理ソフトなどはどうであろうか。
ということで、あとは自分でやれーという声が聞こえてきそうであるが、そんな甘えたことが言いたくなるほど、研究ツールの使い方を魅力的に紹介している本であった。
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