TwitterX:醤油なめ少年の家裁送致
ま、当然のことではあるが、法的責任には民事と刑事とがある例として、教材向けでもある。
スシローがしょうゆ差しなめた少年への損害賠償請求取り下げも少年は家裁送致 重い代償残される
外食産業で問題となった迷惑行為については、刑事事件に発展するケースもあり、ネット利用者の注目を集めようとした行いの代償は決して軽いものではありません。
なんとなくお説教調なのは、この記事が若者への警鐘になると考えてのことかもしれない。
しかし、その最後の一文にはちょっとツイッター(改めX)がバカッターとかバカ発見器と言われ続けてきた歴史を思うと、そう簡単には行かないだろう。
吉野家では、建設業の30代の男が、自分が口をつけた箸を使ってテーブルに置かれていた共用の容器から紅しょうがをかき込むようにして食べ、その様子を知人が撮影してSNSに投稿しました。
吉野家は警察に被害届を提出。男は、威力業務妨害と器物損壊の容疑で逮捕され、裁判が行われています。
こんな風に愉快犯が現れると模倣犯が出て一時盛り上がっては摘発されて熱が冷めるのだが、それはこれまでもあったことだ。
バカッターとかバイトテロなどと検索すれば、2013年くらいからの数々の炎上騒ぎが漂流しているのを見ることができる。
民事に刑事に責任を取らなければならないというだけでなく、多くはぼかし入り・匿名とはいえ、身元特定もされ、デジタルタトゥーとしてその後の人生にも影を落としてしまう。「若気の至り」という言葉では済まされない環境になってしまったのは、つくづく問題だと思うが、どうしようもない。
記事の最後には次のようにある。
「ネットで目立とう」と軽い気持ちで行った投稿がどのような結果をもたらすのか、認識が広まりつつありますが、社会全体が毅然とした態度でのぞむことが引き続き求められています。
残念ながら、一時のブームには冷水がかけられても、ネットの倫理や行動規範についての啓発活動を地道に続けても、ネット初心者は常に生まれ続け、しかもその多くは失うものが理解できていない若者層だったりするので(ただし、いい年した大人がバカッターやっちゃう例も跡を絶たないようだが)、こうした現象は自己承認欲求を満たせるCGMがある以上、繰り返されることであろう。CGMが仲間内のミニメディアという錯覚は、実際にアクセス数がそんなに多い訳では無いという経験に支えられ、ちょっとしたきっかけで注目されるという可能性を軽視ししがちということが補強している。こういうことは、例えば災害に備えようということがいくら唱えられてもいざ災害が起これば結構な数の準備不足被災者が出てくるだろうことと同じである。
例の自民党女性議員たちのパリ外遊の大騒ぎも、この文脈で見ると、要するに国会議員版バカッターだったということである。
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