Book:龍の耳を君に&慟哭は聴こえない:デフ・ヴォイス
第二弾のあとがきに著者自身が「法廷通訳士」と題しておきながら法廷シーンが少ないというクレームに申し訳なく思っていたと言う通り、この第二作も第三作もいわゆる法廷通訳はメインの役どころではない。むしろ通訳として関わる事件の当事者に彼が関わっていったり、真相を救命したりという、いわば探偵もののジャンルと言うべきであろう。
そして、その探偵はコーダとして、特に聴覚障害者を中心にするコミュニティに関わりを持つ。そのコミュニティも、決して単なる弱者の集まりというわけではないこととか、文化ないし言語としての日本手話をめぐる葛藤とか、そういう心をじわじわと揺さぶるような物語を中心としてストーリー展開がされていく。
そして他の探偵モノと違い、何よりもこの世界は荒井尚人自身の家族との関わりも変化して進展していく。
ということで、魅力的な三作を読み終えたが、次は文庫化されていないシリーズ4作目を手にとろうか、それとも刑事何森がスピンオフした『逃走の行先』とか『孤高の相貌』に行くべきか、迷い中である。
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