Cinema: Winny
今年見た2本目の映画がWinny
大阪の弁護士壇先生が逆転無罪判決を勝ち取った感動の実話だが、ご本人の47氏こと金子勇さんは、無罪確定から1年少しで亡くなってしまった。
まあ、とにかく見て、ということしかない。
法学教材としても見てほしい。
映画の感想を追記しておくと、東出昌大さんの金子さん役は、本人そっくりというわけではないのに金子勇さんの特徴をよく捉えているという感じがする。最後は、本人の映像がたくさん出てくるのだけど、違和感がない。
壇先生はかっこよすぎだろとは思うが。
そして、警察の自白調書ではない事実上の自白のとり方など、偽計そのものの感じで捉えられていて、映画の視点は被告人弁護人の側にあるのだから当然そう見えるのだが、警察の視点だとあれが「被疑者に罪を認めさせた」として称賛される行動になるのだろうと思った。警察視点の動画も作成して、藪の中的な対比をさせてみたら面白いのではないか。
それから警察の裏金つくりのストーリーが同時並行的に描かれていて、どうつながるのかと思っていたが、Winny裁判の行方に大きな一撃となったという印象はないので、ちょっと力を注ぎすぎではなかろうか。仙波さんに対する地元紙の記者の「察してください」というのと流出資料を見つけて裏とりをする行動とのギャップも埋められていなかったし、それはそれで興味ある出来事だけに消化不良が残った。
あとまあ、控訴審での逆転をすっぽり割愛されているのは、残念至極であり、一審の攻防が最も見ごたえがあるという判断であるにせよ、一審判決は有罪だったのであり、それが控訴審でどうやってひっくり返ったのか、その点が一番のドラマだと思うのだ。
なお、技術開発に刑事法が足かせとなるであろう場面というのは、色合いが相当に違うことは承知の上だが、office事件と、それからその後のCoinhive事件を忘れることはできない。いずれも、そしてこのWinnyについても、賛否両論はある。
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