Cinema: #SHE_SAID #MeTooに火をつけた記事
今年見た最初の映画はSHE SAID その名を暴け
#MeToo運動に火をつけた記事ができるまでの実話を元にした映画だが、音楽や映像の迫力が凄い。ジャーナリストが真相を一つ一つ、明らかにし、確証を得ていく。そして最後に、記事の裏付けを提供してくれたのが、あの彼女。
オフレコ取材を続けつつ、得た事実を関係者にぶつけ、隠そうとするところをこじ開ける。これぞ「ジャーナリスト」であり、デスクに相当する立場も、ブレなさが凄い。
ともあれ、性的加害を受けた被害者たちの葛藤、自分のせいだと思いこむ心理、そこにつけ込む加害者たちの隠蔽工作、示談と称して被害者には加害者が責任を認めてくれたと思わせる一方で、なんのことはない、金で沈黙を強いるという強者の論理、それをそのまま認める法、こうしたことが糾弾されている。
理想的には、和解契約だって契約の一種であり、その意思表示に至る過程に瑕疵があれば、取消しうべき行為となるだろうし、場合により公序良俗違反とか信義則違反とか、脆弱な立場につけ込んで契約を強いたと評価できるのであれば、無効・取消の主張が可能となりうる。性的虐待で心が壊された状態で締結した和解契約は、少なくとも取消可能という解釈もあながち間違っていないであろう。
もっともそのように解した場合には、被害者が金銭的に救済を受ける可能性はかなり小さくなるので、それでよいかという問題は考えないとならないが。
なお、文字で読みたい方や後日談に興味がある方はこちらをどうぞ。
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