Book:ルールの世界史
普通は、法・法律をルールと言い換えても、その世界史とあればハムラビ法典とかローマ法大全とかナポレオン法典とかが出てくるじゃないかと思うが、本書にはそれらは殆ど出てこない。
ハムラビ法典は出てくるのだが、それよりもむしろ、会社(というかギルドも含まれるので産業組織の)ルール、取引ルール、知財ルールなどが中心であり、自動車産業やデザインなどの非常に幅広い意味でのルール、というかむしろメソッドともいうべきものも大きな位置を占めている。
冒頭に出てくるのは、ルールといえばスポーツであるから、スポーツのルールの変遷で、特にラグビーとサッカーとの分岐を題材にして、それぞれのルールに見合った国民性からラグビーが流行った国とサッカーが流行った国と、端的に言うとイギリスとドイツの気質の違いにも言及される。
そして、時代の位置づけがどうなのかちょっと疑問に思うこともあるが、オランダのチューリップ・バブルの話から、特許や会社、そしてデザインのような知的財産系の法的発展の話が展開される。
私の既存の枠組みとは異なるので、最初は戸惑いつつ、段々と著者の術中にハマって読み進めていったという感じである。
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