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2022/12/15

JBpress:独政府転覆を企てた「ハインリヒ13世」と極右組織「帝国市民」とは何者か

極右のアナクロニズム満載なクーデター計画が露見したニュースは、日本では驚きと、冷笑気味な反応で受け止められたが、その詳報がこちらの記事になる。


独政府転覆を企てた「ハインリヒ13世」と極右組織「帝国市民」とは何者か


 

1ページの下の方に、謀議や武器準備に使われたハインリッヒ13世の「狩猟小屋」の写真があるが、これは住んでみたい・泊まってみたい感じの外見で、700年も続く貴族だけのことはありそうだ。


そしてご多分に漏れず、この手のドイツ帝国はまだ存在していると言い出す「帝国市民」は、陰謀論者たちと親和性が高く、次のような人たちと「共振現象」を起こしているそうだ。


2020年8月のコロナ抗議集会、COVID-19に抗議するんじゃなくて、コロナ対策として取られたロックダウンとかワクチンとかに抗議する連中であるが、「クエルデンケン運動」と呼ばれるグループで、「マスクやロックダウンといったコロナ対策は「違憲」であり、個人の自由への耐え難い攻撃だと唱えた。政府のコロナ対策を批判する人や、パンデミックはデマで、ワクチンにはマイクロチップが含まれていると信じる陰謀論者まで広く参加していた。」


極右は、こうした陰謀論者と行動をともにして、勢力を伸ばしているそうである。


そして、ドイツ連邦共和国はユダヤ・フリーメーソンが作り出した違法な結社であって、ドイツ帝国はまだ存在しているというそうだ。例によってそこにはQアノンとも結びついている。


 


ここまで読んで、ネトウヨとカルトが支配していそうな安倍派に牛耳られた自民党、そしてそれが政権を握っている我が日本でも、大日本帝国はまだ存在していて日本国憲法は押し付けの所産で正統性はないから破棄すれば良いなどと言い出す極端な連中が大手を振るっていて、例によって反ワクチン・コロナはタダの風邪論者も蠢いていて、QアノンならぬJアノンが跋扈しているのを思い出すと、決して他人事ではないと思うのだ。


南京虐殺や従軍慰安婦の非を認めたくない歴史修正主義は社会のかなり部分まで席巻しているし、性暴力を告発した女性を貶めたり、性的マイノリティは生産性がないから社会福祉給付はいらないと言ったり、保育所はコミンテルンと結びついているとか言ってきた人が自民党の国会議員になり、総務省の政務三役の一角を占め続けていられて、その人が有能だと言ってしまう人が今、このコロナで傷ついた社会で増税してまで軍拡を進めようしている首相だというのが日本である。


日本で極右勢力がクーデターが起こらないのは、至極当然のことなのかもしれない。


 

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