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2022/12/27

Cinema:ジュリアン Jusqu'à la garde

今年見た6本目は、フランスの離婚と子の養育に関してリアリズムを追求したことで知られるジュリアン、原題はJusqu'à la gardeである。

 

 

共同親権制度の導入がパブリックコメントで聞かれている現在の日本において、この映画はぜひ見ておくべきであろう。
両親の離婚でただでさえ難しい立場に置かれた子どもが、板挟みとなり、追い詰められ、そして手段に使われること、旧知のフランス人刑事訴訟法学者であるJérôme Bossanは、離婚カップルと子供の今の問題に関して、最も現実に即した映画だと評していた。
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この映画は、冒頭、フランスの家事事件裁判官が両親の間で子供の面会交流の有無と条件を定めるように求められ、両者とそれぞれの代理人を対席させて審理を行うシーンから始まる。


日本で、親権者が単独で子供の監護を行うという場合に、それでなくても面会交流の申し立てや養育費支払いの申し立てで事件が増えているという家裁は、共同親権制度ともなったら、離婚するくらい相互の意思疎通が悪くなったカップルに子の養育に関する重要事項の決定で意思の一致を必要するわけで、その一致を見なければ裁判所に行かざるを得ないという、そのような事件をきちんと適時に、しかも適正に、解決できるのであろうか?

 その覚悟と態勢は家裁にあるのか、それが共同親権制度導入の最低条件でもある。

そして、面会交流を行うとなったら、子の意思も、場合によっては健康すら蔑ろにしてゴリ押しするという父親の姿がこの映画で出てきて、子どもをダシにして分かれた妻に復縁を迫るという、未練がましい男のあるあるの姿をこれでもかと描いている。
共同親権制度ともなれば、そのような危険が高くなることはあっても、低くなることは全くないのである。

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