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2022/11/14

Book:痴漢を弁護する理由

今年読んだ70冊目は『痴漢を弁護する理由

 

これは、弁護士がどのような思いで犯罪を犯した人の弁護をしているのか、そして裁判官や検察官はどのような思いでこれを取り扱い、被告人や被害者やそれらの家族がどのような思いでいるのかを、それぞれの視点から描き出した小説であり、読み応えのある力作であった。

Liser1_20201018223001 従って、特に題材が痴漢である必要はない。ただ、痴漢という性犯罪であり習慣性のある犯罪を題材にすることで、被害者の気持ち、加害者の気持ち、それに対する治療的司法ともいうべき対応可能性、あるいは冤罪が起こりやすい場面での裁判の困難さなどを浮き彫りにすることができていて、まさしく痴漢を題材としたことの利点が存分に尽くされている。

学生にもだが、世間の人にも読んでほしい、そして弁護士など法曹関係者にも読み応えがある作品である。

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