Book:弁護士のための史上最悪の離婚事件
しかしまあ、依頼人側は依頼人側で、法的な常識というのはないのだし、例えば慰謝料の相場観なんかもニュースで見るような芸能人離婚話で出てくる金額とかが印象に残っているし、それに弁護士との契約も報酬とか自由に決められるという前提には自由競争市場が成り立っていることがあるのが当然だから、例えば大根の値段や品質を複数の八百屋やスーパーで見比べて安くて良いものを選びたいという行動にはでる。そのような場合に、消費者としては原価がどれくらいかというのは知らされておらず、また品質を見る目というのも大根のようなモノと違って専門サービスは良し悪しを判断しようもないという暗闇の中で選びざるを得ない。
その上、本書の題材である離婚事件は、離婚の意思が固まっているケースとそうでないケースとは当然あるわけだし、意思が固まっていると自他ともに思っていても揺れる場合はあり、それは一概に非難すべきことではない。
というようなことは離婚を扱う弁護士さん皆さん重々承知の上で、なお、どういう行動が求められるのかというのは、考えてみると面白いテーマではある。
そんなこと、つらつら思いながら読ませていただきました。
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