Book:陰謀論
今年読んだ72冊めは、中公新書の『陰謀論』
この本は、陰謀論がなぜ信じられてしまうのか、それを信じる、あるいは多少ともありそうだと考える人達のメディア利用形態とか政治意識などの傾向とクロスさせて興味深い観測を展開している。
ま、陰謀論にハマっちゃうのは総じてアホと思うのだが、自分だって時としてそのアホの一員となりかねないことは自覚しておかねば。
本書ではTwitterが陰謀論渦巻く世界で陰謀論を信じる人達のメディアとなっているという言説について検討し、Twitterを利用することが陰謀論的信念を育んでいるということは実証的にはいえないとしている。
じゃあなんでみんなTwitterが陰謀論の巣窟だというのかいうと、第三者効果、すなわち自分自身は冷静だからウェブ上の陰謀論に騙されないが、自分以外の多くの人はきっとそうした情報に騙されているだろう」という認識を持つ人が多く、そしてTwitterの利用頻度が高くなるほど、そのような認識も高くなるというのである。
なんともツイ廃には耳の痛い指摘だろうが、その痛みを感じ取れる人がまた少ないのではないかと、どこまでも行ってしまう感じの分析であった。
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