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2022/07/11

Cinema:東京2020オリンピックSide A/B

今年見た2本目・3本目の映画は、河瀬直美監督による東京五輪の記録映画、東京2020オリンピックSide AとSide B

 

世評では、五輪映画にありがちな感動ポルノと国威発揚の物語とは全く違う、リアリズムというか、河瀬直美のテイストが溢れた映画であり、五輪組織委員会が怒って河瀬直美スキャンダルを流したのではないかと陰謀論まで飛び出しているというので、興味を持って見に行った。

 

そして、Side Aに関しては、なるほど、アスリートの視点を河瀬直美が解釈するとこうなるんだと、勝者の物語とか、栄光とか、そういうテイストではなく、実に多様なバックグラウンドを持って参加するアスリートの立場をきちんと切り取っている感じがした。

そして、アスリートではない、それを支える人たちの視点というSide Bで何が描かれるのか、期待は高まった。

しかし、Side Bは、全く期待はずれであった。

一言でいって、つまらない散漫でまとまりのない映画だ。関係者が大変だったということの一端は伝わっているが、東京オリンピックのドタバタは映画に取り上げられていない方がもっとすごい感じがある。

招致活動の黒い疑惑とか、エンブレム騒動とか国立競技場コンペをめぐるドタバタとか、小山田イジメ自慢とか、SideBなら当然取り上げられて然るべき騒動が全く触れられていない。そしてコロナも、延期騒動はあってもいかにオリンピックが優遇され、医療資源もつぎ込まれ、虚構のバブルで外国メディアが街に放たれたかとか、建前ばかり重んじて実質的な感染予防を重んじない姿勢とか、問題ないと言い放って全く自らを顧みようとしない不誠実な防御姿勢とか、そう言ったことが全く伝わらない駄作であった。

さりとてコロナの災難を見事に乗り切って人類の勝利で終わるハリウッド的エンターテイメント性も全くない。

要するに中途半端なんだ。

SideAの方が、まだ作品で伝えたい何かが伝わってきた感じがあったし、良い意味でも裏切りと意外性があった。SideBは、アリバイ的に作ったようなやる気なさが感じられる。

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