Book:7.5グラムの奇跡
この本、なんとなく感じが似ているのが神様のカルテシリーズの夏川草介さんの小説だ。
前作でもそんな感じが漂っていたが、今回は医療ものとあって、ますます雰囲気が似ている。もちろん夏川さんの小説の多くは疲弊する救急医療に最近は新型コロナ対応も迫られてんてこ舞いの現場というのが基本的なラインであって、その点は眼科を舞台とする7.5グラムの奇跡の舞台とは全く異なる。
ずっと以前に、ロビン・クックの医療サスペンスか何かで医者同士の会話の中に、「私は夜中に緊急呼び出しで叩き起こされたことは一度もない」というのが眼科医だったような気がするが、ともあれそういうイメージの専門分野だけに、時間は比較的ゆったり流れている。にもかかわらず、夏川さんの世界の主人公、というよりは山岳写真家である妻との世界に流れている時間が共通するものに思えるのかもしれない。
医療とか検査とかのシーンに関しては、もうそういうものですかというほかはない。ただ、視力検査がちょっとしか出てこなかったのが少し寂しいか。というのも視力検査だけは、すべての人が何十回も経験しているので、なんか親しいものを感じるので。
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