Book:リベラルアーツの法学
そして、内容的にはまさしくリベラルアーツというか、ICUらしく聖書からも始まり(全知全能の神が知恵の実を食べたアダムに何があったかを言わせたのは手続保障だそうだ)、哲学、政治学、歴史学など様々な学問分野との関係から古典を用いて法を議論させるというものである。
最後の方には現代的な問題として、ジェンダーと法、そしてSNSとなどのコミュニケーションと法にも二章を割いている。
ジェンダーと法については、レクチャー ジェンダー法の影響も垣間見られる。
ただし、民事裁判とか、あるいはADRとか、もめごとにどう付き合っていくかという観点での法学は、残念ながら著者のリベラルアーツの射程には入っていない模様で、冒頭の聖書の話とか、ちらちらっと手続的な話が垣間見られる程度であった。宗教と法という問題にせよ、科学と法という問題にせよ、民事裁判には密接に関わる領域でもある。ないものねだりかもしれず、ちょっと私とは住む世界が違うんだなぁという感想だった。
画像はWikipediaに用いられているパブリックドメインの自由七科と哲学 。
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