Book:星新一の思想
私が初めて読んだ星新一は、多分、『マイ国家』だと思うが、昨日この本を読み終えてなぜ自分が星新一を読み始めたのか、何歳くらいのときに読み始めたのか、全く思い出せなくなっていた。今、思い出すと、中学のときの友達に進められたような気もする。多分、今もFBでつながっていてトルコに駐在したりしている友人であろうか、あるいは長じて政治学者になったという風の便りを聞いた友人であろうか。
そしてひとしきり星新一にハマり、ショートショートよりもむしろ星一の話(人民は弱し官吏は強し)や小栗忠順の話(はんぱもの維新)、それに豊臣秀頼の話(城の中の人)などに傾倒して、筒井康隆に抜けるという、この本の中でまさに既定コースのように書かれているコースをたどった一人である。
それでも、最初から最後まで出てくる「おおいでてこーい」や「肩の上の秘書」などは今でもまざまざと文章が思い浮かぶかもしれない。いや、それはひょっとするとこの本を読んだ後だからかもしれないが。
何れにせよ、星新一にハマったことのある人には垂涎の逸品である。
ただ、本書の中で筒井康隆に関して実はヒューマニストで星新一の乾いた感じと違うと書かれているところはすごく共感するが、80年代以降の筒井康隆が「そうなっていった」とある部分は、本筋から外れたところの記述にしても、ちょっと引っかかる。次は是非、筒井康隆論を書いていただきたい。
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