Book:転がる検事に苔むさず
今年読んだ23冊目は検事を描いた『転がる検事に苔むさず』
警察小説大賞の受賞作だそうで、ちょうど今日、その受賞第一作である『恋する検事はわきまえない』が出たようだ。
作者は法曹や検察庁勤務経験者というわけではなく、新聞記者の出身のようだ。
ストーリーが比較的単純な、最近流行りの過去に行ったり現在に来たり、過去の事件との関係が浮かび上がったりすることなく、また検事さんと巡査とが共同して犯人を追い詰めていく過程も左遷された検事という設定だけに全く組織とは関係なく自由に動くので、机に縛られる検察官のイメージではない。それと、検察事務官がやりそうな役どころを新人女性検事がやるというあたり、ファンタジー的で良いが、それにしても区検察庁ともなると検察事務官はいないものなのか? 副検事制度は廃止されたのか? など、数々の疑問はある。
最後にどんでん返しがやってくるあたり、検事ものを得意とする作家とかどんでん返しの帝王と書かれている作家とかの影がちらつくが、ともあれこのジャンルの有望新人ということであろうか。新人と言っても、私とそれほど歳が変わらないので、頑張っていただいて、たくさん楽しませてほしいと期待する。
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