Book:大天使はミモザの香り
なにしろ、高校一年で軽音のヴァイオリンを弾いているもののビオラという楽器の存在すら知らないという男の子が、アマオケに入って一回さらっただけでショスタコーヴィチの交響曲一番の、それも第2ヴァイオリンパートをきっちり弾ききっちゃったり、翻訳で生計を立てている42歳独身彼氏なしの女性がヨーロッパの大公に見初められてローマならぬ東京の休日に付き合い、かつ求婚までされちゃうとか、それはそれは夢のある物語なのである。
その主人公たちが属するアマオケが、なぜか大公の所蔵する世界で一台しかない名器のヴァイオリン「ミモザ」を、日本を代表するヴァイオリニストがソロで弾く際のオケをつとめるという設定も凄い。
しかしなんとなくアマオケに現れる登場人物たちの言動には妙なリアリティを感じてしまう。これはひょっとすると、身内が入れ上げているアマチュア合唱団をなんとなく身近で見ているからかもしれないが。
というわけで、ともかくファンタジーミステリというかサスペンスファンタジーというか、楽しめる小説だ。
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