book:レインメーカー
レインメーカーというと、もちろんアメリカ映画のレインメーカー [DVD]を思いうかべてしまうが、そしてこの小説では誰が、どのへんがレインメーカーなのか、最後までよくわからないままだったが、ともかくも面白かった。
前半は、後に原告代理人となる弁護士の事務所と、その事務所に所属していて医療過誤訴訟の原告代理人として有名を馳せた弁護士が、しかしある事件をきっかけに独立する話と、後に子供が亡くなる夫婦(ITベンチャー経営者と大学准教授)とその親族の話と、ドロドロした人間関係が同時並行的描かれるのだが、後半は、医療過誤訴訟の教科書のような進行である。
原告代理人となるのは、被告代理人が元いた事務所のボスの娘で、これが全くの俗物として描かれているが、その俗物弁護士が請求の趣旨だとして被告医師の謝罪を求めるというのが出てきたときにはちょっとびっくり。しかしフカヨミをすれば、それほどアホ弁ということなのかと納得もする感じである。
しかし、最後まで読んでも、やはりこの原告代理人の行動動機はあまり納得感がないままであった。
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