Book:職務質問
今年読んだ14冊目は古野まほろの職務質問(新潮新書)
職務質問は、これまで、原付に乗っていたときとか、酔って大通公園(札幌)で悪さしていたときとか、職質なんだか説教なんだか分からない経験しかない。ということであまり怪しまれる感じではないのかもしれないが、若い頃はそれなりに反抗心を持っていた気がする。しかし・・・
この本にまさに書かれているわけだが、コスト的に言って無駄な抵抗をするのは無駄を増大させるだけではある。
加えて、特に問題がない場合に職質に応じるのは、社会全体の治安を向上させることにもわずかながら寄与するわけだから、それはその方がよりお得という気がする。もちろん不愉快な思いをさせられたら「何を!」となるわけだが、特に不愉快な思いをさせられたわけでもないのに頭から協力しないのも理のない話である。
本書では、違法な職務質問、例えばいきなりポケットに手を突っ込んだり、断りなしに強引にかばんを開けたりした場合には、そのことを問責すべきだし、そのためには出来るだけ録音録画したり、周囲の人の注意を引いたりして、証拠を残すようにすべきだし、また警官の特定が可能なように制服に記載されている記号番号を控えておくべきだという。
ただ一点、警察官にも肖像権があるから無断で撮影することは違法だと言っている部分はいただけない。肖像権というのは民事上の権利であり、それを侵害したからといって犯罪となるわけではない。なるほど肖像権を侵害された警察官は、個人として、裁判所に訴えて差止や損害賠償を求めることはできるだろう。しかし、その場で実力を持って制止したり撮影したデータを取り上げたり消去したりすれば、それはそれで違法な自力救済であって、不法行為責任を負う。職務関連であれば国賠だ。
ということで、証拠に残す必要がありそうだなと感じたら、少なくとも公道では、録音録画をまずするのが吉であろう。
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