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2021/11/23

Book:継体天皇と即位の謎

今年読んだ54冊目は、継体天皇と即位の謎〈新装版〉

 

 歴史研究論文の書籍化である。

Liser1_20210427063301 継体天皇については、皇統の断絶に際して近江ないし福井から相当の年月をかけて飛鳥に来て即位するに至ったという事実、日本書紀にも古事記にも応神天皇五世の子孫とあるものの、そのつながりが明記されておらず、上宮記一云なる書物に系譜が書かれていること、これに加えて母方の出身氏族から当時の大王の外戚が継体天皇の即位を支えたこと、そして文献のみならず古墳を中心とする考古学的な移り変わりから勢力関係を追求して継体の周辺を探るなど、興味深いものである。

論文集だけに重複しているところも多く、また当然の前提となっているところが素人に分からなかったりするので、読み解くのはそれなりに大変だが、皇統を引くかどうかは別として継体天皇が単なる征服新王朝ではなく大和政権の内部から望まれて即位に至ったらしいことは、説得力を感じるものであった。

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