« Book:歴史修正主義 ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで | トップページ | Book:沈黙のパレード »

2021/11/05

Book:学校弁護士 #スクールロイヤー が見た教育現場

今年読んだ51冊目は神内聡弁護士の学校弁護士 スクールロイヤーが見た教育現場 (角川新書)

 

 教師としての経験と弁護士としての経験を併せ持つ著者ならではの視点でスクールロイヤー制度と現在の学校の抱えている問題とのミスマッチ解消を指南している。

Liser2 この本で取り上げられている学校が抱える諸問題は実に多岐にわたる。そのそれぞれについて、スクールロイヤーへの期待と現実に行えることが、説得力を持って明快に示されており、その内容に賛成するかどうかは別としてとても雄弁な本だ。

それ以前に、著者が明確に持っている考え方が、日本の教育制度の長所が教師の面倒見の良さにあるということであり、何箇所か、ALTに聞いてみても口々にそういうというエピソードとともに出てくる。教室で勉強を教えるだけに徹するのであれば、予備校や塾の先生になればよいのであって、学校の先生に期待されている役割はその教育+αだという。ブラスアルファには、生徒の導きであったり、保護者との協力であったり、部活の指導であったり、ともすれば教師の過重負担の元凶のように言われる活動こそが教師に期待されているのであって、長時間労働の解決はそれらの活動を省くことではなく、教師の増員とか、余計な労働につながる作業の省力化とかが必要だという。

それから、スクールロイヤーとしては、学校につくのか、教師につくのか、子供や家庭につくのか、あるいは教育委員会につくのか、場合により様々であるが、学校現場の契約関係や労働関係に一般法が適応し難い中で、その現場を知った上での法的な対処が望まれているということも強烈に主張されている。

 

 

|

« Book:歴史修正主義 ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで | トップページ | Book:沈黙のパレード »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« Book:歴史修正主義 ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで | トップページ | Book:沈黙のパレード »