Book:こんな政権なら乗れる #中島岳志 #保坂展人
保坂さんも中島さんも、現在の立憲民主党への政権交代について懐疑的で、今必要なのは政権交代ではなく政権運営の質の転換だという。
自民党中心の連立か、野党連合かという対立軸で選択させるのではなく、その言わんとする所は専門知と熟議を尽くした民主主義的な政治運営をすべきだということなのだろうと思われる。
最もそれは、現在の選挙により選ばれた政治家の政党政治ではなかなか難しいのではないか。首長に保坂さんがついて、区の職員や従前の区の政策にコミットしてきた人たちの利益を急激に転換することなく、しかし住民の声を着実に取り入れて政治を漸進的に変えていく、そのようなやり方が望ましいことはもちろんだが、それを国政の場で実現するにはどうしたら良いのだろうか?
かつての民主党政権では、数々の問題があったことは事実で、その一つが小沢幹事長の下で陳情窓口を一本化するということで事実上党内民主主義を否定した上意下達方式になってしまったことが挙げられる。この点はこの本の中でも強く指摘されている。
そのようなやり方で潰れていった一方、熟議民主主義とか、討論型世論調査とか、新たな民主主義の方向性を指し示すような動きも、民主党政権の下にはあった。残念ながら、それが権威主義的な政治手法とは相容れなかったが、地方自治の現場で保坂区長が行ってきたことはそうした熟議デモクラシーの実践ではなかったのか。そしてそれは国政の場でも行われるべきだし、そうした手法を推進するリーダーがほしいと、まあそういうところであろうか。
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