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2021/05/31

パンデミック対策に憲法改正が必要だという話について(ツイートまとめと加筆)

森田朗という人が書いた「「緊急事態宣言」はもう効かない、より強力な私権制限に踏み切れ」という記事について

記事の中に「国家がなすべきことは、正直者がバカを見ないように、確信犯的にルールを無視する一部の輩を確実に捕まえ、厳しく罰することである。それが正義というものだ。」と書かれている。
しかし、この罰を与えれば人は従うということを無邪気に前提にする発想、失礼ながら幼稚過ぎて話にならないのだが。

まず、その前提として、ルールが理にかなっていることが必要だ。無理な要求をルールとして定めても、いくら罰を定めても従わせることは難しい。
 #昔懐かしいシムシティの法律版みたいなのを作ってヒットしたら、少しは分かるようになっていいんじゃないか? それを最近の議論ではデジタルツインとか言っているようだが、要するにシムシティだよね。

上記記事の最後のパートには、「「補償なくして休業なし」の筋が通らない理由」と題されているが、内容はそうではないよね。休業にはつなぎ融資と返済免除で報い、その分をコロナで儲かった企業から取り立てるという話をしている。
それをするなら、補償するのと何ら変わらない。

そしてそれが可能なためにはマイナンバー等の改革が必要といって終わっているので、可能だとも不可能だとも結論を付けていない。仮に不可能だとすれば、休業者に直接的な補償をする以外にはない。
で、補償なく休業強制+罰則ということだと、結局最初に戻る。法は不可能を強いることはできない。

(以下、暴言)

だいたい、この種のことを偉そうに言う人達に聞きたい。
「あなた、何日くらい飲まず食わずで生きていけますか?」
「どれくらいの期間だったら、無収入になっても生きていけますか?」
「家賃や従業員給与、光熱費を払い続けて、営業禁止された、補償無しでどれほど持ちこたえられると思いますか?」

憲法25条の生存権保障は、防疫のための措置を政府に命じると同時に、餓死するような境遇に人々を陥れる措置を政府に禁止している。
これを改正して防疫措置を強制化したいということは、要するに餓死者を出してもいいってことだよね。

あるいは、憲法29条の財産権の不可侵は、公共の福祉による限定を認め、かつ正当な補償で財産権を侵害してもいいとしている。
これを改正して財産権(営業の自由)を強制的に罰則付きで制限して良くしたいということは、要するに補償無しで営業禁止し、倒産と失業を爆増させてもいいってことだよね。
そうじゃないというなら、聞かせてもらいたいもんだわ。そしてそんな改正は、全く賛成できない。

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