Book:#北村紗衣 #お砂糖とスパイスと爆発的な何か
今年読んだ17冊目は、あのさえぼうこと北村紗衣先生のお砂糖とスパイスと爆発的な何か: 不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門
本格的な批評ではなくエッセイという位置づけの本書であり、大部分はネットで公開した記事が収録されているので、肩の凝らない読み物であるのだが、なにしろ豊富な読書量に根ざした博識が大爆発した感じなので、読むのに時間がかかった。
印象深かったのは、バズ・ラーマンを論じた「愛の理想世界におけるブス」
ブスというのはちょっとアイキャッチな言葉の使い方であり、普通のその辺にいそうな、特にゴージャスでも美人でもない女の子というくらいの意味だ。バズ・ラーマンの撮る映画の絢爛豪華さとヒロインの普通ぶりとがギャップが有り、また絢爛豪華はキャンプの美学であることが説明されている。
また「読書会は理屈っぽい男は邪魔?」は、私の妻が長年続けている読書会を思い出して、個人的には面白かった。
「ディズニーに乗っ取られたシンデレラ」も、灰かぶりの民話が生き生きとしたバラエティを持っていたことに興味を惹かれる。
「隠れたるレズビアンと生殖」カズオ・イシグロの込み入った世界が解き明かされている。
ということで、最初こそ中々進まなかったが、後半は一挙に読んでしまった。
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