民訴教材:父を定める訴え
父を定める訴えの実例が、今年の5月に出ている。
千葉家裁松戸支部判決令和2年5月14日WLJ、LEX/DB
事案は、日本人女性Aが、婚姻関係にあったナイジェリア人のBと離婚後、同じくナイジェリア人のCと婚姻して、Bとの離婚後245日後にDを出産したというもので、父子関係の推定が問題となった。
コモンローの原則によれば,子が懐胎した時点又は子が出生した時点において母親が婚姻しているときは,その母親の夫が子の父親として推定される。また,ナイジェリアの裁判例においても,有効な婚姻期間中に出生した子は自動的に嫡出子と推定するとの判断手法が判示されている。
ということでDの父はCと推定されるが、他方でAの本国法である日本法によれば、離婚後300日以内に出生した子の父は前婚の夫と推定されるので、Dの父はBとも推定される。
こうした推定の重複があるときに、解決するのが父を定める訴え(民法773条)である。




