Book: #サイバーハラスメント
原著者はボストン大学のダニエル・キーツ・シトロン教授で、翻訳は大川紀男氏、そして他の監訳者は明戸隆浩氏と唐澤貴洋氏である。
そう、あの炎上弁護士で有名な唐澤貴洋弁護士だ。
本書の内容は、ともかく最初はこれでもかこれでもかというサイバーハラスメントの被害叙述から始まる。
中にはロースクールの女子学生も被害者として登場する。
そして、被害者を苦しめる匿名性と所詮ネットという社会通念。
しかし、これは放っておいて良い問題ではないし、過去にも、最初は大したことがない問題、被害者にも落ち度があるし、我慢していればそのうちにおさまる的な目で見られていたが、現在はしっかり問題が認識され、対策が行われつつある問題としてセクハラやDVがあったように、このサイバーハラスメントにも問題と認識して対策を行うことが必要だという。
具体的な対策として、法ができることとすべきこと、立法によりハラスメント・ストーキング法の改正やリベンジポルノ処罰法の創設、さらには公民権法の拡大などが提案されている。アメリカのことであり、日本とは状況が異なる。
日本には既にリベンジポルノ処罰法は存在するが、公民権法はない。ストーカー防止法はあれどもサイバーストーカーは主眼ではないし、ハラスメントについては直接の対策法はない。
そのほか、サイト運営者に責任を負わせることと、雇用主に就職希望者や社員のインターネット・レピュテーションを理由とする不利益取り扱いを禁止せよとの提言もある。
大変参考になるので、ぜひ読んでみよう。
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