Book:#日本女性法律家協会 70周年のあゆみ
第一部は、その井上教授がまとめた誕生から60周年までの歩みで、最初はわずか3人の法曹から始まり、女法協としては10人のメンバーから始まったが、60周年には100倍の会員数に膨らんだ。しかし、その間は決して順風満帆なものではなかったことが、この第一部に如実に表されている。
ともかくも、女性だけの法律家の集まりは、その存在意義が問われ続ける歴史でもあったのだ。
光る歴史としては、様々な分野での研究会や意見書の発表、そして外国の女性法律家との交流、とりわけRBG(ルース・ベーダー・ギンズバーグ)との昼食会の模様などが描かれている。
井上教授は、この本の最後にもまた登場し、マイノリティ(数としての少数ではなく社会権力から排除された側の意味)とかヴァルネラブルな人たちのアドボカシーとしての存在意義を女性法曹とその集まりに期待して締めている。
その間には、多くの執筆者がそれぞれの立場から寄稿している。書籍作成当時の日弁連会長であった菊池裕太郎弁護士や、大崎事件の再審弁護団事務局長で有名な鴨志田祐美弁護士、弁護士から参議院に華麗なる転身を遂げた打越さく良議員、そしてDV問題を始めとする女性法律問題に取り組み山崎新弁護士など、多士済々である。
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