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2020/05/11

突然の遠隔授業は、こうやることにした

成城大学は、いよいよ今週水曜日から授業が始まる。

新型コロナウィルスの対策で当初は3回ほど遠隔授業という予定であったが、前期はすべて遠隔授業ということになり、15回分に相当する授業をオンラインで行うことになった。

 

オンラインとか遠隔とかいっても、リアルタイムに講義を配信する同時通信型と、動画をアップして好きなときにみられるオンデマンド型とがありうるし、さらに双方向のやり取りを可能にするテレビ会議方式もある。これに加えて、動画ではなく音声ファイルをアップするラジオ講座型と、もうそういう音声とか動画とかなしに、紙媒体資料を学生に与えて自習させて、課題に答えさせる方式もありうる。最後の純粋紙媒体では、文科省がそれでも面接授業の代わりになると認めてくれなさそうだが、それしかできない先生もいそうであり、せいぜい、質問の機会を提供することがありうるかもしれない。

授業の特性により、どれが良いかは考えもので、通常の講義と同じことをやるのであれば同時配信型であろうが、大学の教室に来て座って話を聞くのと同程度の集中を学生に期待できるかという問題はあり、ちょっと私としては直ちにそれを採用することはためらわれる。

そこで、オンデマンド方式を基本に、ゼミのような同時双方向のやり取りが必要な科目はテレビ会議方式でやろうと思う。もちろん、途中で別の方式を織り交ぜても良いかもしれないが、基本はそれで行く。問題は、そんな動画を毎日いくつも見てたらパケ死する、ギガ死するという声にどう答えるかだが、予備的に音声+PDFでのラジオ講座方式も取り入れようと思う。


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その際、利用するシステム構成は以下のようなものとするように、だんだんと固まってきた。

 

まず、大学で採用しているLMS(学習管理システム)であるWebClassを基本として、授業コンテンツのリンクを毎回の授業ごとに作成する。

そのコンテンツは、以下の通り。

・講義教材(テキスト主体)

 これは例年ワードで作成するものを土台に、遠隔授業用の設問などを付加し、あらかじめWebClassに登録してダウンロードさせておく。

・パワーポイントにナレーションを付けたスライドファイルをMP4にエキスポートした動画

 これはYouTubeに限定公開でアップし、そのリンクをWebClassで案内する。

・その他の資料

 判例や文献の抜粋などは、WebClassに登録しておく。

・課題

 単数選択・複数選択式や短い記述式などの課題を、動画の終わりに行うよう用意する。問題はWebClassのテストシステムに登録し、動画視聴後にこれをやるよう指示しておく。

・軽量パック

 パワーポイントスライドを縮小したPDF版とナレーションの音声ファイルを、上記のスライドファイルからとMP4からオンラインコンバーターで変換して作成し、Google Driveにアップしておく。そのリンク先はやはりWebClassにて指示。

・予備サイト

 WebClassがアクセス困難となったときに備え、ココログの別ブログに授業ごとのページを作り、そこにYouTube動画ファイルへのリンクとワード講義教材その他の資料のダウンロード可能なリンクを設定しておく。

 

最初は、動画のアップとリンク取得とか、そもそもGoogle Driveの共有の仕方とか、パワーポイントにナレーションを付けて動画にしたものをどうやって音声ファイルにするかとか、試行錯誤でえらい時間がかかった。今日なども、何度かやり直しをするので、動画作成から色々とアップしたりWebClassにリンクを指示するまで、非常に時間がかかって一つの授業の一コマしか作れなかった。

しかし、徐々に、これは慣れていくことであろう。

手順としては、以下のように進める。

(1) 昨年の講義教材とパワーポイントスライドを元に、今年の授業の構成に合わせて書き替える。

(2) 授業ごとに二回ないし三回の課題を作成する。

(3) パワーポイントにナレーションを作文して吹き込む。その過程で、教材のやスライド、そして課題を見直すこともある。

(4) ナレーションを吹き込んだパワーポイントスライドをリハーサルしてみて、よければそれで動画にエキスポート。

(5) 生成した動画をYouTubeにアップし、その進行中に動画からMP3にファイルコンバート、およびスライドからPDFに書き出す。

(6) WebClassに、YouTubeへのリンク指示を書いたファイルを作成し、課題をテストとして作成し、それらの順番を指示する。

(7) また、教材や付属資料をWebClassの資料欄にアップする。

(8) ココログに、YouTubeへのリンクと、講義教材及び資料のダウンロードリンクを設定する。

(9) Google Driveに(5)で作ったMP3音声ファイルとスライドPDF版を軽量パックとしてアップし、共有リンクを取得する。

(10) (6)のYouTubeへのリンク指示に、(9)の軽量パックのリンク指示を書き足して非公開としておく。

(11) 講義の時間になったら、(6)と(8)とが学生から見えるようにタイマーを掛けておき、(10)を公開した上で、自分はWebClassのチャットで学生の質問を待つ。

 

書き出してみても、(1)〜(4)は大変だが、(6)がちょっと手間なだけで、後は慣れれば器械的な作業である。

多分、大丈夫であろう。

 

ゼミは、全く別である。

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コメント

うちはほぼすべての授業例年より課題が大幅に増えており、それで学生から悲鳴が上がっています。担当教員によって動画、資料や課題提出の場所がバラバラなので、「分かりにくい」、「統一してほしい」との声もあります。ちなみに、現在計12回くらい音声付きPPT講義ファイルを作成しましたが、配信に大きなトラブルなく、少しづつ慣れてきて作業時間も減ってきましたー

投稿: カクビ | 2020/05/27 12:15

課題は、やはり簡単な短答式で理解をチェックするという程度のものがいいですね。

投稿: 町村 | 2020/05/28 10:50

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