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2020/04/07

新型コロナウィルスの蔓延で裁判はどうなるか(東京地裁の方針追記)

特に今日にも出されるという緊急事態宣言とこれに基づく都府県知事の対処は、社会の各層をマヒに追い込むが、裁判もどうなるかが気になるところである。

 

「緊急事態宣言」で裁判どうなる? 当事者ら「判決延期して」最高裁「裁判体ごとに判断」

 

この記事では、弁護士ドットコムニュースが最高裁に取材して新型インフルエンザ等対応業務継続計画』(平成28年6月1日)によるという回答を得たことが紹介されている。

 

これによれば、発生時継続業務とそれ以外とに大別し、発生時継続業務はインフル対策などの強化される業務と一般に継続されるべき業務とが示されている。

別紙2によれば、すべての類型を通じて文書の受付を継続するほか、民事では保全(特に緊急性の高いもの)、DV、人身保護の事件処理を継続する。刑事では令状と医療観察事件である。

これに対して後者、発生時継続業務以外の業務は、優先順位を3段階に分けて、縮小、中断がなされる。民事では、上記以外の保全、執行と倒産で緊急性のあるものが第一順位である。

政府対策本部が,新型インフルエンザ等緊急事態(特措法第32条第1項) を宣言した場合には,各裁判所の実情等に応じて,発生時継続業務以外の業務を大幅に縮小又は中断する。

ただし、この業務継続計画(BCP)は、新型コロナウィルスを直接対象とするものではなかったので、例えば病気の常況については以下のように想定されている。


・ 国民の25%が,各地域ごとに流行期間(約8週間)の中でピークを作りながら 順次り患する。り患者は,1週間から10日間程度り患して欠勤するが,その大部分は,一定期間の欠勤期間後に治癒し,免疫を得て職場に復帰する。
・ ピーク時(約2週間)に職員が発症して欠勤する割合は,多く見積もっても5% 程度であると考えられるが,職員自身がり患する場合のほか,家族の世話,看護等(学校・保育施設等の臨時休業や,一部の福祉サービスの縮小,家庭での療養 などによる。)のために出勤が困難となる場合,不安により出勤しない場合があることを見込み,職員の最大40%程度が欠勤する。

少なくとも、今、海外で感染爆発が起こっているような事態は想定されておらず、日本の現状でももう少しこれより深刻ではないかという気がするので、上記の対処方針が果たしてどれほど使えるかは、よくわからないところである。

それと、勾留されている刑事被告人は、ズルズルと期日が引き伸ばされている間、ずっと勾留しておくのは妥当でなかろう。無罪推定の原則にも反するし、迅速な裁判を求める権利の侵害でもある。少なくとも勾留を取り消すとか保釈をするとかして、別途逃亡防止の物理的な手段を設けるべきであろう。

この点は、将来の課題かもしれないが、ゴーン事件以来ずっと課題で有り続けているのだ。やるのは、今でしょ。

追記:東京地裁の方針は電話会議等も含めて期日指定を取り消すというものであった。

20200407-182121

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