FRANCE:出張中の腹上死で労災認定
ちょっと、岡口裁判官が好きそうな話題ではあるが。
裁判でクサビエ・X氏とされたこの男性は、パリ近郊で鉄道サービスを提供するTSOでエンジニアとして働いていた。
X氏は2013年、フランス中部への出張中にホテルで亡くなった。TSOは、この死を「赤の他人との婚外関係」によるものだとしている。
しかし、公的健康保険を取り扱う業者がX氏の死を勤務中の事故と認定したため、TSOが提訴した。保険業者は、性行為は「シャワーを浴びたり食事をするのと同じ」、普通の活動だと主張。パリの控訴院はこの考えを支持した。
判決では、出張中の従業員はいかなる状況にあっても、「任務に当たっている期間を通し」社会的保護下にあるとしている。
面白いのは当事者関係だろうか。
労災の仕組みが日本とは違うのであろうが、労災の保険者が上記のような出張先での行きずりのセックスで心臓発作を起こしたことについて労災と認め、雇用主がこれを争うという事になっている。
日本だと、まず遺族が苦労するパターンなのだろうが。
フランスらしいといえばフランスらしい気がする。
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