lawsuit:スコットランド上級裁判所でUK議会の閉会を違法と判断
これって、どういう訴訟なんであろうか?
スコットランドの上級裁判所は11日、ジョンソン首相が10日から1カ月にわたる議会閉会を決めたことについて「違法」との判断を示した。
ここでいう上級裁判所というのは、Court of Sessionという裁判所の控訴部であろう。UKの最高裁判所ができるまでは、上院に上告するしかなかったもので、いわばスコットランド的には最高裁であった。
しかし、上記記事によれば、少なくとも法的拘束力のある裁判のようである。日本的にはこれこそ統治行為にほかならないかと。
日本でも、憲法の規定を堂々と、何度も無視して国会の招集要求を安倍政権が握りつぶしているのだが、上記のような訴訟ができるのであれば、日本の裁判所も同じように判断したかもしれない。統治行為論ににげこまなければ、ではあるが。
憲法第五十三条 内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。
安倍内閣の開き直り答弁書を貼っておこう。
平成二十七年十月二十一日に行われた臨時会の召集の要求に対しては、政府としてこれに適切に対応するため、現下の諸課題を整理し、平成二十七年度補正予算及び平成二十八年度予算の編成等を行った上で、本年一月四日に第百九十回国会を召集することとしたところである。このように、政府としては迅速かつ適切に対応したものと考えており、「憲法第五十三条に違反する憲法違反行為」である等の御指摘は当たらない。
この答弁書からもわかるように、2015年10月21日から2016年1月4日まで、約70日も憲法53条に基づく要求を無視して、招集要求があろうがなかろうが行う予算編成を行ったという理由で「迅速かつ適切に対応」などと言うのであるから、もう開き直りとしか言いようがなく、中立公平な裁判所の必要がひしひしと感じられるところである。
そういうことで、憲法53条に反する行為で国会議員が職務を妨害されたことに基づき、国家賠償請求訴訟を提起するというのが、日本法の下ではせいぜいできることであっただろう。いや、それでも統治行為論に逃げ込まれる可能性はあるが。
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