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2019/07/02

Web:最高裁の判例提供が当事者名を実名にしている例(追記あり)

FBにおける岡口判事の投稿で知ったのだが、あの原口アヤ子さんの夫に関20190629-103624する大崎事件再審請求特別抗告審の決定文では、別の再審請求人で被抗告人でもある原口さんの氏名を実名で記している。その他の氏名は再審請求対象の亡くなった元被告人も含めて、すべて仮名処理しているのに、なぜアヤ子さんだけ実名なのだろうか?

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もちろんアヤ子さんは実名を公表して活動し、弁護人もそのようにしている。しかしそのような事情を考慮して訴訟関係人の一部を実名で記載することは、これまでなかったように思う。

そしてアヤ子さん自身の再審請求特別抗告審の決定文では、原口アヤ子という名前は出てこず、請求人と記されている。

 

なにか特別なルールが有るのであろうか?

 

なお、一般に公開される判決文等について仮名処理することは妥当なものだと思うが、いわゆる公人についても機械的に仮名処理するのは、当該文書の存在価値を損なうもので賛成はできない。その仕分けはやり始めると微妙なものになって公開作業が大変になるとは思うが、仕方のないことである。

また、再審請求人とか被告人の場合も、無罪判決を獲得したときには、その氏名を公表するというのが被告人自身の希望である限りそうすべきである。最低限の名誉回復措置である。

そしてその基準からすると、再審請求を棄却する自判決定はもちろん、関係人に過ぎない人の実名をそのまま載せる理由は思い当たらないのだが。

(追記)

自分で調べたのではないのだが、刑事再審事件の平成18年からの43件に関して事件関係者の実名が記されたものは、唯一、袴田事件に関して判示事項の欄に「いわゆる袴田事件再審請求」とカッコ書きがあっただけで、他はすべて実名なしという徹底ぶりである。より一層この大崎事件の扱いが際立つものである。

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