Book:ジャッジメント
今年読んだ19冊目はジャッジメント (双葉文庫)
刑罰として、従来と同じ判決または同害報復の選択を被害者遺族に認める復讐法が制定されたという想定で、その執行を中心に被害者遺族と加害者との葛藤劇を綴っている。
この同害報復の復讐法という設定、どこかで見たような気がする。確か何かのマンガにあったような気がしてならない。
この小説がオリジナルなのか、まあよくある発想なのか分からないが、判決確定後に被害者(遺族)と加害者とが対峙して、裁判では語られなかった真相なり過去の経緯なりが明らかとなるというストーリーは、刑事裁判に対する軽侮に基づいているように思われる。
精密司法と言いながらも、真実には全く到達できない刑事裁判に対する、とりわけ被害者側からの不満不信の上で、この小説の形になっているというのは考えすぎであろうか。
ま、法律家的にはちょっととっつきにくい舞台設定なのだが。
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