Book:新章 神様のカルテ
第3作で大学病院に行くことを決意した主人公だが、この「新章」では、その大学病院で大学院生の身分で、かつ勤務医として多忙な日々を過ごし、引きの栗原も健在だ。妻となった榛名さんとの間には愛娘が一人、そうした舞台設定で医療と大学医局、特徴的な患者と様々な身分の医師たちとの人間関係ドラマが展開されている。
それにしても、大学医局というのは、私が北海道にいた頃に、医師の派遣人事を通じて地域医療を支え、かつ支配しているというイメージがあり、しかしそのイメージ通りの医局体制というのは崩壊したために地域医療が危機に陥ったという認識であった。
本書の描く長野県の地域医療は、かつてのイメージ通りの大学医局により支えられている世界であった。
現実社会はどうなんだろうと思わざるを得ない。
それと、相変わらず医学部と大学病院に勤務する医師たちの身分というのはよくわからない。栗原先生や利休の身分というのは、研修医でもないが大学の常勤ポストというわけでもない、ただの勤務医ということであろうか。それにしても手取り月給19万円というのは、勤務医として安すぎるような気がするのだが。
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