child:共同親権問題
離婚後の共同親権問題について、進展がありそうである。
その前に、でたばかりのこの本『離婚後の共同親権とは何か 子どもの視点から考える』を読んでみよう。流石にでたばかりで、妻も持っていなかったので、アマゾンで注文した。
さて、進展というのは、法務省が選択的共同親権制度の導入を考えているというニュースが流れてきたからである。
日経:選択的共同親権、法務省が本格検討へ
親子の断絶を防止、「面会交流」で養育環境を整備
共同親権は、現在、婚姻している両親が持っている形態だが、そこでも既に、両親の間での意見の不一致を解決する手段がないという欠陥が指摘されている。もし離婚後に親「権」が共同となるのであれば、もちろん不一致に対する決定手続が必要となろう。
また共同親権といっても、監護を一方の親がすることが通常となると思われる。外国の例にあるように、一週間ごととか一ヶ月ごとに監護親を交代するということは子供の福祉にそぐわない場合がほとんどであろうから、結局一方が監護親となる。そのことを前提に、共同親権を持つということにどれほどの意味があるのか、慎重に考えて見る必要があろう。
さらには、ニュースでは選択的ということが想定されているのだが、それこそ離婚時に意見が食い違った場合の処理が問題となる。面会交流のゴリ押しといわれる現象が、共同親権についても生じるのではないかとか、色々と気になる。
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