« 弁護士ドラマQUEEN | トップページ | Book:永遠に残るは(下) »

2019/01/05

FRANCEの行政裁判所がConsidérant queを使わなくなる

Nouvel Opsによると、この1月1日から、フランスの行政裁判所は判決文の書式を変え、従来のConsiderant queという定型句を使わなくするそうだ。

Considérant que la formule est désuète, la justice abandonne le "considérant que"

このConsiderant que というのは、直訳すれば「〜を考慮すると」というくらいに訳せる。
そして判決文は、全体として一文というコンセプトに基づき、以下のように構成される。
Avocatsmagistrats

裁判所は、
民法○条に照らし、
原告が〜と主張していることを考慮し、
他方、被告が〜と主張していることを考慮し、
事実は〜であることを考慮し、
法律の趣旨は〜であることを考慮し、
〜という解釈が正当であることを考慮し、
以上の理由で
以下のように判決する
原告の請求を棄却するor被告は〜をしなければならない。

この「考慮し」の部分がConsiderant que で始まる現在分詞節で、これをいくつもいくつも重ねた結果、最初の「裁判所は」に続く主たる動詞の「判決する」が来るのである。冒頭の「照らし」と書いたのはVu queである。

こうした判決文のスタイルは、実のところ、他の公用文にも共通していて、例えば法律も同様に、

主語(王様とかフランス共和国とか人民とか)が
〜に照らし、
〜を考慮し、
以下のように定める。
第一条
第二条
・・・
という構造になっている。

これはもう伝統としか言いようがない。
その伝統は、ある程度は日本にも受け継がれていて、判決文は大昔は、少なくとも判決理由の部分は全体で一文として書くというスタイルであった。

これが、この1月1日から、地方行政裁判所からコンセイユ・デタ(国務院と訳され、フランスの最高行政裁判所の機能を持つ)まで、革命的な変革が行われたというのだ。

上記の記事によれば、読みやすさの配慮のために、正確かつエレガントな表現に不可欠でない限り、日常的に使われない用語法は法廷でも使わないという方向に行くとのことである。
さらには、長すぎる一文も読みにくいので、半ページも続くような文章は書かず、せいぜい一文は2、3行以内とするようにともされている。

これはコンセイユ・デタが、全国の地方行政裁判所判事に訓示をしたということである。

というわけで、民事刑事の、司法裁判所は直接変わるものではないのだが、さてどうなるか?

adv.

|

« 弁護士ドラマQUEEN | トップページ | Book:永遠に残るは(下) »

フランス法事情」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: FRANCEの行政裁判所がConsidérant queを使わなくなる:

« 弁護士ドラマQUEEN | トップページ | Book:永遠に残るは(下) »