Book:パラレルワールド・ラブストーリー
今年読んだ33冊目は、東野圭吾のパラレルワールド・ラブストーリー (講談社文庫)
しかし、題名の中黒後はそのとおりなのだが、前は違うじゃないか。
あらすじは山手線と京浜東北線との並行電車でよく見かけた美女が、親友の恋人として紹介されたのに、いつの間にか自分の半同棲相手になっていたというところから始まって、親友および主人公が脳科学を用いたバーチャルリアリティの民間企業に勤めている話につながっている。
そして感覚器官を通じてのバーチャルリアリティから直接脳に働きかけてゲーム等の世界にいる気にさせる方法の研究に勤しんでいるということだから、その企業の研究内容が関係して、主人公の記憶が歪んでいるのではないかというのは、比較的早くから見えてくる。
しかし、結局それがどのような形で主人公と親友と美女の関係を歪めさせたのかは、最後にならないと出てこない。
記憶が歪んでいる主人公の主観で書かれているから、非常に理不尽な扱いを受けている感じが伝わってきて、その辺がさすがに東野圭吾だな―と思うが、これパラレルワールドじゃない気がしてならない。
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