prison:奈良監獄、最後の公開
奈良監獄の成り立ちは、不平等条約の改定を欧米列強に呑ませるために、日本は近代法治国家であることを示したい、ついては行刑施設も立派な近代的なものがあるのだといえる建物が必要だということで、西洋式の放射状配置された房を設置した刑務所が全国に作られた5つのうちの一つということである。
内部は、非公開の所長室とかを過ぎて講堂を抜けると、すぐに放射状の房を一覧できる中心地点に着く。
そこからいくつかの列が公開の対象となっていた。
独房は、とても狭く、奥行きも短い。これをホテルに使うといっても、今のままのサイズではもちろん、3区画くらいを合併しても横長すぎて、ホテルのシングルルームになりうるのか、ましてツインとかスイーツルームとかにするのは相当難しいのではないのかという感じがする。
廊下は広く、ここで受刑者たちが行進させられたのかと思うと、なんとも言えない感じがする。
上記の本には、私達が見られなかったところも数多く載せられているが、実際に見た感じは写真よりもずっと陰鬱なイメージであった。写真集には独房にTVモニターや扇風機もあったのだが。
医務棟を抜けた外には、精神病者を収容する隔離棟もあり、その横には江戸時代の拘禁施設を保存した物語っていた。キリギリスの檻ににているのでギス檻というのだそうだ。
外は基本的に晴れていたが、時折不吉な雲がでてきて、「ショーシャンクの空に」を彷彿とさせる。
塀の高さは思ったほどでもないのだが、しかし、よじ登って逃げるのは不可能な高さだ。
それを実証するべく努力中。
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