Bankruptcy:医療法人の倒産、いつか来た道
「医療・福祉」の倒産最多 経営難、暴力団つけ込む 年間見込み
記事のグラフによれば、平成28年から医療機関・福祉事業の倒産件数が200件を超え、平成30年には最多になる予想とされている。
そのうち、病院・医院は40件超えの予想ということなので医療福祉の枠内でそれほど高いシェアというわけではない。むしろ深刻なのは福祉事業なのであろう。
それはともかく、記事では医療機関の保険診療報酬債権に暴力団が群がっているという点が問題視されている。
この問題、民事介入暴力、非弁という古典的な問題でもある。
かつて、現在の倒産法ができる前の時代にも、やはり病院倒産が問題視された時期があった。
当時は民事再生手続もなく、会社更生と破産との間には「詐欺法」とも揶揄される和議法があり、保全処分で債権回収の動きを止めては逃げるといった使われ方が問題視されていた時代で、倒産にはまだまだ暗いイメージがつきまとっていた。
特に医療法人では、会社更生の可能性はないので、再建するとなれば和議しかない。個人の病院だと、医師免許にも関わるので、破産は選択肢にならず、和議しかない。その和議が再建のためのきちんとしたフォローがない制度であったものだから、結局、暴力団やそれまがいの介入を許していたという状況であった。
1985年の本であるが、病院倒産 (〔正〕)という本がある。
また、和議法の実態調査をした成果としては和議法の実証的研究がある。
いずれも1円。
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