Event: ITはADRの利用拡大につながるか?
7月13日金曜日、日本ADR協会主催の表記のイベントがある。
◆当日のインターネット配信はこちら◆
今はなにも見られない。
ご案内によれば、以下のような内容が予定されている。
第1に、現在、IT戦略の先進的取組として、当事者が国内外の遠隔地にいる場合の物理的なアクセス障害を除去するために、スカイプ等を使った遠隔地間ADRが試みられています。ディスカッションでは、その実施例を具体的にご紹介し、当事者及びADR機関にとってのメリット、実務上・法制上の留意点について検討いたします。第2に、当協会では、ADR機関への利用申込みや事前相談における心理的・時間的負担をアクセス障害と捉え、対応策の1つとして、オンラインで簡単に申込み等ができる新システム(プラットフォーム)を開発中です。本シンポジウムでは、この新システムを初めて公表する予定であり、併せて、その実用化の意義や改善点などを議論したいと考えています。
当協会では、従前より「ADR機関検索システム」を開設・運用し、当事者や相談機関がADR機関を選択する際のアクセス障害(情報不足)に対応して参りました(http://japan-adr.or.jp/search/adr_search.php)。検索システムの利用数も年々増加しているところですが、今回公表する新システムは、これをもう一歩進めて、ADR機関への直接的なアクセスを拡大するとともに、ADR機関の事件管理業務の効率化にも資することを目指しております。ぜひご期待いただきたいと存じます。
第3に、日本ではADRにおけるIT戦略は緒に就いたばかりですが、海外ではすでに広く実施され、効果を挙げているようです。そこで、専門家をパネリストにお迎えし、海外の最新情報をご紹介するとともに、AIによる手続実施など近未来のADRのあり方についても言及し、今後のIT戦略の方向性やADR利用の変容の可能性などについても示唆を得たいと考えております。
もっとも、「ITを利用した」といっても「先進的」かどうかは甚だ疑問のあるところで、そりゃあ裁判所よりはマシかも知れないというレベルである。
当事者との連絡調整を電子メールでやったり、あるいは審尋の期日を電話やスカイプでやったりすることは比較的ハードルが低く、当事者と機関との合意さえあればすぐにでもできる。しかしいわゆる事件管理をクラウドで行うことは、それなりの準備と資金が必要であり、ましてや当事者も含めてそれを使いこなすとなると、セキュリティも絡んでくる。ということで、そのあたりが超えられると、それなりのものはすぐにもできそうなのだが、まだそこまではいっていない。というような現状が判明することであろう。
概要PDFはこちらにある。
出演者は以下の通り。
【司会】 当協会理事・ADR調査企画委員会副委員長・弁護士
河井 聡
◆開会ご挨拶◆
当協会代表理事・一橋大学教授
山本 和彦
◆ご挨拶◆
法務省大臣官房司法法制部長
小出 邦夫
◆講 演◆
「ADRをめぐる諸情勢について」
法務省大臣官房司法法制部審査監督課長
三宅 啓介
◆パネルディスカッション◆
「ITはADRの利用拡大につながるか?」
モデレータ:
当協会ADR調査企画委員・弁護士
森 大樹
パネリスト(五十音順):
当協会ADR調査企画委員・弁護士
一場 和之
成城大学教授
町村 泰貴
当協会ADR調査企画委員・
株式会社ODR Room Network代表取締役
万代 栄一郎
当協会理事・弁護士
渡部 晃
一橋大学特任助教
渡邊 真由
◆閉会ご挨拶◆
当協会理事・ADR調査企画委員会委員長・京都大学教授
山田 文
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