Book:AI Vs.教科書が読めない子どもたち
今年読んだ13冊目はAI vs. 教科書が読めない子どもたち
かの東ロボくんを主導してきた新井紀子さんの警告の書である。
何に警告しているのか、題名から見ると、AIで仕事を奪われる将来の勤労者の子どもたちの将来を危ぶんでいるように思われるし、それはそれで正しいのだが、AIが進化することで人間の働き口がなくなるという話ではない。
AIは進化はするが、しかし真の意味でのAIが自己学習によってより高度な存在に進化していき、人間がついていけなくなるというのではない。むしろ、AIは意味がわからないとか統計的にわかったふりをすることができるだけという限界を抱えているが、それでも人間の職業にかなり置き換わる。ところが人間の方は、子どもたちの学力知力をテストしてみると、文章をきちんと読むことができないレベルの子どもたちがたくさんいて、中学ではむしろ多数派で、そのような子どもたちができる仕事というのか大半がAIに置き換わられるものだから、限界のあるAIロボットでも極めて脅威的だというわけである。
真の意味でのAIは世界中に存在せず、シンギュラリティも決してやってこない、今のいわゆるAIを前提にするなら限界があるということ、この点が改めて確認できてよかった。
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